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カムイ伝  第二部(14) ゴールデンC
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カムイ伝 第二部(14) ゴールデンC

岡本鉄二(著者)

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カムイ伝  第二部(14) ゴールデンC

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 小学館
発売年月日 1995/10/30
JAN 9784091711144

カムイ伝 第二部(14)

¥275

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2019/12/21

第7章「佐倉十一万石」(12-14巻) 酒井雅楽頭の「野望」に関して、宮城音弥の推測を語る場面がある。「堀田家の排除だけならば、こんな回りくどいやり方はしない。将軍を鬱の病で除くことを通じて、自分の天下を狙ったのではないか」。「野望」の正体の一つの結論だが、おそらくそんな簡単には...

第7章「佐倉十一万石」(12-14巻) 酒井雅楽頭の「野望」に関して、宮城音弥の推測を語る場面がある。「堀田家の排除だけならば、こんな回りくどいやり方はしない。将軍を鬱の病で除くことを通じて、自分の天下を狙ったのではないか」。「野望」の正体の一つの結論だが、おそらくそんな簡単にはわかるものではない。この巻では、酒井忠清の思惑通り、堀田上野介の無断佐倉帰り(史実)が行われる。 音弥が将軍家綱を、気鬱の病から救う少し前の話に時制は戻り、上総の椿湖干拓に従事する正助、竜の進、熊沢蕃山たちがカムイとまた一旦別れることになる顛末も描く。 つまり、カムイが追忍(?)と相対する顛末である。裏の裏の裏をかく描写は、緊迫感に満ちていてエンタメとして素晴らしかった。なんと!あのカムイの必殺技霞斬り、飯綱落としがあっさりと破られる。そして「カムイ外伝(スガルの島)」で作り出された十文字霞くずしさえも、この謎の男の前に破れて終う。その相手は謎のままという展開。この時、カムイは絶体絶命のピンチに陥る。ここまでのピンチは、カムイ伝中最も過酷だったと言っていいだろう。白土三平が長い間温めていた展開だったことは間違いない。画の描写もすごい。 カムイ外伝・正伝からの人物の名前が次々と出てくる。搦の手風、百日のウツセ、棒心、伝次、名張の五ツ。その過程で、謎の男から「抜けるばかりが抜忍ではなかろうが。初心を忘れおってからに」という伝言。正に外伝ではなく、正伝としての展開である。そしてカムイにこんなことを言える人物は、正助以外では1人しかいない。このあと、カムイは「野望」の章の宮城音弥のところに行き、音弥が徳川家綱の気鬱の病を癒すのを助けるのである。カムイの目的は、ただ宮城音弥を助けたかった、だけではない。ましてや、家綱に恩を売りたかったわけではないことは明らかである。 また、熊沢蕃山の思想の一端も紹介している。いわゆる、革命を経ずに日本国を豊にする方策である(参勤交代制度廃止論‥‥これも史実)。第二部が教育論を漫画化しただけという一部の論評は、しかし不十分ではある。正助も黒鍬衆の拡大によって、少しでも人々の移動を自由にし、身分制撤廃への道につなげようとする夢を語る。実現・非実現性は一旦置いておく。もちろん、ここでは大きくは展開されてはいない。ひとつ驚いたのは、千葉県佐倉にまで日置大一揆を謀った「影衆」が組織されていたということである。この広がりは、まるで戦前の共産党組織のようだ。これは、非常に恐ろしいことだ。いざという時には、一挙に「日本中の百姓・非人が動く」可能性があるということだ。ただし、これも未完のためか、展開されなかった。そして最後は酒井忠清の堀田上野介への企みを潰すことで終わるのである(万治三年1660年9月堀田上野介の佐倉帰城事件)。←ひとつ驚くことがある。第二部が始まったのは、1656年である。なんと、14巻かけて、4年しか経っていなかったのである。 それにしても、湖の中の食物連鎖の描写は、構成は白土三平自身がやったにもせよ、岡本鉄二の画は素晴らしい。この弟の死はいつから始まったのだろうか。残念でならない。

Posted by ブクログ

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