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カムイ伝  第二部(9) ゴールデンC
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カムイ伝 第二部(9) ゴールデンC

岡本鉄二(著者)

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カムイ伝  第二部(9) ゴールデンC

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 小学館
発売年月日 1994/03/30
JAN 9784091711090

カムイ伝 第二部(9)

¥275

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2018/07/13

第六章「野望」(9巻-)。 どうして酒井雅楽頭が新興勢力である堀田一族を目の敵にするのか?また権力に執着するのか?その一端が述べられる。それは、祖父の代の名門の没落と過去の栄光を「没後の憂愁と怒りを聞きながら育っていった」ためと書いている。この歪んだ信条は、正に成長期の親の教育問...

第六章「野望」(9巻-)。 どうして酒井雅楽頭が新興勢力である堀田一族を目の敵にするのか?また権力に執着するのか?その一端が述べられる。それは、祖父の代の名門の没落と過去の栄光を「没後の憂愁と怒りを聞きながら育っていった」ためと書いている。この歪んだ信条は、正に成長期の親の教育問題に原因があるとでもいいたげである。ここには、もはや江戸幕藩体制の矛盾の発露としての陰謀構造は描かれない。しかし、その後「しかし、忠清の妄執といっていい権力追求の動機は、そんななまやさしいものではなかったのである。それは物語が進むにつれて次第と明らかとなっていくだろう。」(9巻28p)とも述べている。果たしてきちんと説明してくれているのか、どうか。 せっかく新しい人生を選ぼうとして訪れた九十九里浜の生活は、佐渡守の追っ手をくらますために、竜之進とカムイが死んだと見せかけることになった。この辺りの「仕掛け」は、昔取った杵柄でお手の物という感じがする。しかし、それは2人を銚子に向かわせるための「作為」のような気もしないではない。 銚子の外川浦の港作り、引いては街作りに、竜之進は大きく心動かされる。新しい街には希望がある、そう思うのは、封建主義の矛盾と戦ってきた彼らしくはないように思うのだが、如何なものだろうか? 一方、カムイも今だ自分のことを夢を持たずに「何処かの浜に流れ着いて朽ち果てていくのが宿命」と達観している。彼らに夢ができるのが、このカムイ伝のテーマだとしたら、なんかずっと夢はつかめそうでない気がするのだが。 さて、ここで突然正助が登場する。紀州の黒鍬衆の庄左衛門としての登場は、やはり日置は紀州ということなのか?しかし、佐渡守の移動の速さを見ると、福島辺りとも思えるのだが、うーむ。しかしあまりにも突然の登場である。第二部をいったん止めるためのサービスの為とはいえ、あまりにも設定を無視しすぎると、当時の読者からはあまり評判は良くなかった気がする。でも、よく考えれば、死んだと見せかけて、生きていた、というのは白土三平の何時ものやり口ではないか。私は納得している。 熊沢蕃山が龍の化石を発見する場面(9巻156p)は、その後の相次ぐ考古学的発見のことを考えると予言めいたものさえ思える。また、恐竜の蕃山に言う戒めは(178p)、未だに、いや大震災を数度経た今、更に増して我々に突きつけるだろう。 河村瑞軒や崎山治郎右衛門という実在人物のお陰で、正助は助かったことになっている。実際江戸幕藩体制の元では、彼らは「死んだことになって」いないと日置を離れることはできなかった。正助がいきていて、日置ではみんな正助のことをすまなく思っていることの理由はそれでつくだろう。また、正助の夢は、黒鍬衆としての土木事業に従事し「新天地」をいたるところに作れば、非人たちも住むところが出来るかもしれない、という。印旛沼の開拓に正助はこれから手を付ける。 このあと、「カムイ伝」は2年ほどの休載を作る。あれは作品構想のためだと思っていたが、今考えると、岡本鉄二の病が悪化したのかもしれない。だとすると、ここで正助がつぶやいた「新天地」構想だけが、この大河ドラマの決着点だったのかもしれない。今となっては思う。影衆と黒鍬衆が結びつけば、封建体制の下でも「新天地」は可能だったのではないか?しかし、この後、その構想の可能性は深く沈殿する。わたしのこの想いは単なる幻想なのだろうか。全体をみながら、考えなくてはならない。 実際の連載と同じく、私の漫画評もここで暫くお休みを頂く。

Posted by ブクログ

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