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天人唐草(文庫版) 自選作品集 文春文庫ビジュアル版
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 1994/03/01 |
JAN | 9784168110313 |
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天人唐草(文庫版)
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商品レビュー
4.2
16件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「天人唐草」がとてつもなく恐い。主人公は父親に嫌われたくない一心で、おとなしく、清楚で、そして全く主体性のない女性に育つ。その結果…、なんの救いもない。 自分で何も考えられない主人公を冷笑しながら読むのに、どこかで「これ、私の事じゃない?」って感じてしまう。親の言うことを聞きなさい、女の子らしくしなさい…というのは、女性なら一度は聞く言葉じゃないかな。主人公はそれに従っただけじゃないか、何も悪いことしてないよって、胸を裂かれる気持ちになる。 あとすごいのは、少女漫画のお約束をぶち壊すところ。セオリーなら居場所のない主人公を救うために現れる優しい友人や、運命の相手の王子様も、この漫画では皆無。候補は出てくるけれど、主人公が受け身すぎて何も発展しない。ただ没個性で何も出来ない無能な女性として、淡々と破滅へ向かっていくだけ… 本当に恐ろしい。
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著者の「自薦短編集」第1弾です。 第1話「天人唐草」は、女の子はおしとやかでなければならないという父親の教えに縛られた岡村響子(おかむら・きょうこ)という女性の破滅を描いた作品。 第2話「ハーピー」は、佐和春海(さわ・はるみ)という少年が、同級生の川堀苑子(かわほり・そのこ)...
著者の「自薦短編集」第1弾です。 第1話「天人唐草」は、女の子はおしとやかでなければならないという父親の教えに縛られた岡村響子(おかむら・きょうこ)という女性の破滅を描いた作品。 第2話「ハーピー」は、佐和春海(さわ・はるみ)という少年が、同級生の川堀苑子(かわほり・そのこ)という少女に死臭を感じ、彼女がハーピーではないかという妄想に陥っていく話。 第3話「狐女」は、九耀家に引き取られた庶子の理(まさる)が、みずからの出生にまつわる呪われた秘密を知る話。 第4話「籠の中の鳥」は、山奥に暮らす「鳥人」の生き残りとされる融(とおる)という少年の物語です。たった一人の身内である祖母がなくなり、民俗学者の人見康雄(ひとみ・やすお)という男のもとに引き取られた少年は、人見が事故で死に瀕するに至って初めて、自身の血筋に伝わる「鳥人」の能力を知ることになります。 第5話「夏の寓話」は、夏休みに海外旅行に出かけた祖父母の家で留守番をすることになった大学生の澄生(すみお)が、6歳で死んだ少女の幽霊に出会う物語です。 短編なので複雑な構成はありませんが、民俗学の道具立てを用いたストーリーに奥行きが感じられます。
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彼らはそれぞれ捕らわれています。 時代遅れの男尊女卑な価値観や歪んだ性衝動、母親の面影や田舎の古い因習に。 抑圧された日常。募る違和感。それはいつしか耐え難い恐怖へと変質していく…。 物語の終りに彼らは解放されます。狂気の世界への逃避、残酷な真実を知ること、後味の悪いものが多いで...
彼らはそれぞれ捕らわれています。 時代遅れの男尊女卑な価値観や歪んだ性衝動、母親の面影や田舎の古い因習に。 抑圧された日常。募る違和感。それはいつしか耐え難い恐怖へと変質していく…。 物語の終りに彼らは解放されます。狂気の世界への逃避、残酷な真実を知ること、後味の悪いものが多いですが。 幽霊よりも妖怪よりも人間が怖い。 山岸凉子のホラーを読むといつも対人恐怖症気味になります。
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