浮世絵のことば案内

田辺昌子(著者)

• 販売会社／発売会社: 小学館/
• 発売年月日: 2005/10/08
• JAN: 9784096815427

商品レビュー

2020/01/10

浮世絵勉強の１冊目。用語一つ一つに対して詳細な説明がなされる構成。紅色や漆は高価なもの、続絵が作成された背景、髪の生え際は彫られている等々、浮世絵を多角的に鑑賞する技術を学べる。

とは言っても所詮は知識なので、実際に浮世絵を鑑賞しに行く経験を通して初めて意味あるものになるのだろう。そして場数を増やしてながら、浮世絵技法や絵師のスタイルの共通項を見いだすことができれば、もっともっとこの本で得た知識が立体的に浮き上がってくる気がする。

最後には、日本の浮世絵は国内よりも海外に多く存在することに対する疑問も払拭してくれた。浮世絵を特別なものと扱っていなかった日本人は、ジャポニズムの興隆に乗じて海外に売りまくったという。今では逆に日本人が海外から浮世絵を輸入しているのは面白い。

本書の一説風に言えば、当時全く評価されなかった東洲斎写楽を見出した蔦屋重三郎のような観察眼を日本は持っておくべきだったのかも知れない。

2011/05/29

歌川国芳の展覧会が前期と後期と分かれており、前期を観た後にもうちょっと浮世絵の知識があればもっと楽しめたのにな～と思ってたところ、この本に出会いました。
浮世絵のテーマから様式、制作過程などを様々な作品と共に分かりやすく紹介されており、後期の展覧会を観る際には色々と見るべき場所が増え、より楽しむことができました。