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国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社/ |
発売年月日 | 2005/03/25 |
JAN | 9784104752010 |
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商品レビュー
4.3
67件のお客様レビュー
時代を転換するために「国策捜査」=運の悪いターゲットを犠牲にすること、が行なわれたとすれば、その後に外交の基本方針を決めているのは誰か?筆者は「誰もいない」「外交戦略不在」とするが、このごろの民主党内閣の体たらくを見るとそうなのかも知れないとさえ思われる。小沢一郎に著者は期待する...
時代を転換するために「国策捜査」=運の悪いターゲットを犠牲にすること、が行なわれたとすれば、その後に外交の基本方針を決めているのは誰か?筆者は「誰もいない」「外交戦略不在」とするが、このごろの民主党内閣の体たらくを見るとそうなのかも知れないとさえ思われる。小沢一郎に著者は期待する、 鈴木宗男は嫉妬心がまったく無いというだけが弱点の誠実な政治家とする、それはどうかな。
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この本に書いてあることが全て真実なのかは今は判断できないが、筆者の記憶力には本当に敬服する。 この事件により筆者は外交に係る職務からは降りて、文筆家になったのだと思うが、それが国益を損ねる結果になっているような気がしてならない…
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佐藤優はもともとロシアを専門とする外務省の官僚だった。本書の舞台は2002年から2003年にかけてのことであるが、当時の(今でもそうであるが)日ロ間の最大の懸案は(少なくとも日本側からは)、北方領土の問題であった。北方領土の問題を含む日ロ間の懸案事項の改善に向かって外務官僚を務め...
佐藤優はもともとロシアを専門とする外務省の官僚だった。本書の舞台は2002年から2003年にかけてのことであるが、当時の(今でもそうであるが)日ロ間の最大の懸案は(少なくとも日本側からは)、北方領土の問題であった。北方領土の問題を含む日ロ間の懸案事項の改善に向かって外務官僚を務めていたのが佐藤優であり、政治家としてのその「同志」であったのが、鈴木宗男である。 2002年5月に筆者は東京地検特捜部に背任容疑で逮捕され、東京拘置所に収監される。のちに、背任罪でも起訴を受け拘留が延長される。しかし、筆者の逮捕は筆者を狙ったものではなく、鈴木宗男を狙ったものであった。鈴木宗男を斡旋収賄容疑で逮捕し、有罪とするために、関係する何人かの人たちが逮捕されている。 筆者は、鈴木宗男を有罪にするための動きを「国策捜査」と呼び、自分たちは、その「国家の罠」に捕まった者たち、という意味で本書の題名をつけている。鈴木宗男事件については、弘中弁護士の「生涯弁護人」の中で取り上げられていた。そこでも、弘中弁護士は、本事件を、鈴木宗男を有罪にするために、特捜部が事件を「つくった」、いわゆる「国策捜査」であったと断罪している。弘中弁護士の著作で読んだ鈴木宗男事件に興味を惹かれたので、読んでみたのが本書である。 筆者は、起訴・逮捕・取り調べ・裁判といった過程を、筆者が判決を受けるまで、背景を含めて本書で細かく記している。それは、「記録している」と言った方が良いような記述の仕方である。 筆者がユニークなのは、「国策捜査といったものはあり得る。自分がそれで逮捕されたのは、運が悪かったから」という風に、国策捜査自体について争っていないことである。また、取り調べの過程の記録も面白い。取り調べの中で、筆者は「無罪になる」ということを一番の目標とはせず、例えば、「外交関係にダメージを与えない」「情報源を守る」「チームを守る」等を優先目標にあげ、それに沿った形での供述を行うことを決める。それに対しての取り調べの担当検事との虚々実々の駆け引きも本書の読みどころのひとつである。 とても面白い話であった。上記した弘中弁護士の「生涯弁護人」の鈴木宗男事件と合わせて読むと、更に面白いと思う。
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