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遍歴 神谷美恵子コレクション
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遍歴 神谷美恵子コレクション

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 みすず書房
発売年月日 2005/03/24
JAN 9784622081845

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商品レビュー

4.3

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2022/03/24
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※このレビューにはネタバレを含みます

 文部大臣前田多門の娘、東大仏文教授前田陽一の妹、英語・仏語に堪能、医師、ハンセン病療養所長島愛生園に通った神谷美恵子さん(1914.1.12~1979.10.22)「遍歴」、2005.3発行。次の4部構成です。①スイスものがたり ②帰国 ③ペンドル・ヒル学寮の話 ④現実の荒波の中で。1946年、神谷宣郎氏と結婚、長男律、次男徹の二人の子を育てられています。

Posted by ブクログ

2020/07/10

すごく赤裸々に自分の気持ちの流れを書いていてとても読みやすかったです。相手に対して誠実でありたい葛藤も正直に書いていて。戦前、戦後の日本の様子も詳しく書いてある。特にそのころに社会で活躍した女性の視点が語られているのは貴重だと思います。当時の夫の妻の仕事に対する考え方や夫のが書い...

すごく赤裸々に自分の気持ちの流れを書いていてとても読みやすかったです。相手に対して誠実でありたい葛藤も正直に書いていて。戦前、戦後の日本の様子も詳しく書いてある。特にそのころに社会で活躍した女性の視点が語られているのは貴重だと思います。当時の夫の妻の仕事に対する考え方や夫のが書いたあとがきもとても興味ぶかいです。

Posted by ブクログ

2017/04/30

今月、ふとしたことから神谷美恵子に関心をもって本を読み始めて、これで4冊目。 「この人、一体どうなっているのか?」 私にとってこの人は、フーコーの「臨床医学の誕生」の訳者、それからマルクス・アウレリウスの「自省録」の訳者であった。実は、晩年のフーコーは「自省録」を愛読して...

今月、ふとしたことから神谷美恵子に関心をもって本を読み始めて、これで4冊目。 「この人、一体どうなっているのか?」 私にとってこの人は、フーコーの「臨床医学の誕生」の訳者、それからマルクス・アウレリウスの「自省録」の訳者であった。実は、晩年のフーコーは「自省録」を愛読していたというつながりがあるのだが、普通に考えれば、フランスのポスト構造主義の現代思想家と1世紀のローマのストア派の哲人皇帝には、ほとんど関連はない。 とこれだけで、不思議だなと思っていたのだが、その著書を読み始めると、らい病患者と精神科医として関わり続けた人であり、ヴァージニア・ウルフの研究者であり、なんとも清々しいエッセイを書く文筆家であり、夫を支える妻であり、母である。さらには、津田塾大学や神戸女子学院の教授である。戦後は、文部省とGHPとの交渉の通訳などもやっている。 さらには、ピアノでバッハを弾き、フランス語の教師をし、膨大な本を読み続けている。 まさにスーパーウーマンなのだ。 その神谷美恵子が最後に書いた自伝的な本が、この「遍歴」であるが、これはいわゆる自伝からはとても遠い、謙虚で、人への気配りに満ちた本である。 いつものようにたんたんと清々しく自分の人生の魂の遍歴が語られている。 とくに印象的なのは、スイスやアメリカの学校で、学び、考えたこと、そして人との出逢いの中で、人生に対する態度を形成してく過程である。さわやかな自然や生き生きとした対話の場が、読んでいて、目の前に浮かび上がるようである。 と、このへんまで、年代としては、戦前の話しが半分くらいで、残り半分が、いわゆる帰国後であるのだが、ここからの記述は、なんだか実務的なものになりがちである。しかも、悩みながら、自分の道を探って行く話しが中心で、らい患者を精神科医として診察を始めたり、著作家として、成功したり、といった話しはあっという間に過ぎ去って行く。 が、これはおそらく著者の病気や死によって、こういう偏った形になったものではない。 あくまでも、これは「遍歴」、魂のさまよいを書き記した本であるのだ。 ある程度、有名になったあとの物語については、自ら語らない、という姿勢は、ガンジーの自伝と同じスタンスなのかもしれない。 うーん、やっぱりすごい人だな。。。。 どれ一つとして真似できそうなものはないが、彼女のフランス語は、スイスで子ども時代を送ったことによって習得したもので、彼女は、終生、フランス語が一番考えたり、読んだり、書いたりするのが、得意な言語であったという話しがあって、なんとなく納得した。 そういえば、彼女の日本語の不思議さも、その辺からきているのだろうなー。 というわけで、とても謙虚で、しかも記載される時期が偏った自伝なので、これをよんで、神谷美恵子がどういう人なのか分かる、というものでは、全くない。 「この人、一体どうなっているんだ?」という疑問は簡単には解けないのだ。

Posted by ブクログ

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