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山口瞳「男性自身」傑作選 熟年篇 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社/ |
発売年月日 | 2003/03/28 |
JAN | 9784101111322 |
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山口瞳「男性自身」傑作選 熟年篇
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商品レビュー
4
7件のお客様レビュー
江分利満氏で感じた特有の空気感が、いよいよ周囲との死別や筆者自身の幕引きをもってそのままの形で萎みいく。 リアルタイムで向き合っていた読者群の心中はいかばかりかだったろうか。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
最近のエッセイは自分語りが多いけど、これは身辺雑記。 自分の日常を書いているけれど、自分語りではない。 この辺りの兼ね合いが、上手いなーと思う。 絵画、俳句、将棋、相撲観戦など趣味が多才。 国立市を愛している。 酒のみで、偏屈で、愛すべきじーさん山口瞳。 不器用で頭が悪いから、ガスの点火ができないなんて書いていて、「あはは…」と笑って読んでいたら、戦時中、軍隊にいた彼の体験が書いてあった。 子どもがいじっていた不発弾が爆発して、家族全員が血まみれになって軍医に治療してもらいにきた。 その光景がずっと忘れられず、爆発物を異常に恐れるあまりガスの点火ができない。これは戦争ん後遺症だろうと言う。 “戦争となると、不思議なことに、死ぬことは怖くなくなってくる。しかし、私が死んだら母が歎き悲しむだろうと思うと辛くなってくる。それは本当に辛い。「君死に給うことなかれ」と母親や愛人に言わせることが辛いのである。” 実際に軍隊経験をした戦中派としての心からのことば。 死ぬことよりも、母を悲しませたくない。 殺すことにより、彼らの母を悲しませるのも嫌だ。 それは理想主義かもしれないけれど、理想がなくてよりよい現実が起こり得るだろうか。 “人は、私のような無抵抗主義は理想論だと言うだろう。その通り。私は女々しくて卑怯未練の理想主義者である。 私は、日本という国は滅びてしまってもいいと思っている。皆殺しにされてもいいと思っている。かつて、歴史上に、人を傷つけたり殺したりすることが嫌で、そのために亡びてしまった国家があったといったことで充分ではないか。” ただし私は、これとはちょっと違うように考えている。 この先戦争へ向かって行こうとする日本であるのなら、日本という国は亡びてしまってもいい。 でも、皆殺しにはされたくない。 どこの国の国民になったっていいじゃないか。人は生きろ。と思っている。 これも理想主義なんですけどね。 国民を大事にしない国家なら亡べばいい、と結構本気で思っている。
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山口瞳の小説を読んだことはない。 だから、僕にとって、エッセイストという印象が強い。 晩年の連載を抜粋したものであるが、 入院したときに、親しい人の死を知るというのは、 なんとも不思議な因縁だな、と思う。 それから、向田邦子に関する記述は興味をそそられる。 なんとも魅力的に...
山口瞳の小説を読んだことはない。 だから、僕にとって、エッセイストという印象が強い。 晩年の連載を抜粋したものであるが、 入院したときに、親しい人の死を知るというのは、 なんとも不思議な因縁だな、と思う。 それから、向田邦子に関する記述は興味をそそられる。 なんとも魅力的に描かれているのだから……
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