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大密室
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商品詳細
内容紹介 | 内容:壺中庵殺人事件 有栖川有栖著. ある映画の記録 恩田陸著. 不帰屋 北森鴻著. 揃いすぎ 倉知淳著. ミハスの落日 貫井徳郎著. 使用中 法月綸太郎著. 人形の館の館 山口雅也著 |
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販売会社/発売会社 | 新潮社/ |
発売年月日 | 1999/06/30 |
JAN | 9784104308019 |
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大密室
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商品レビュー
3.7
8件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
密室系のミステリーを書くのがどれだけ大変であるか、苦労とかを学べる本。やはり、短編でこれは素晴らしいと言うべき密室ミステリーを書くのは大変だなぁ。と感じさせられる。どうしてもトリックの制約が出てきてしまうから。 ただ、豪華執筆人が書いているだけあって安定して愉しめる。密室を書こうと思ったら読んでおいて損はない一冊だと感じた。
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4 7人の著名ミステリ作家による密室をテーマにしたアンソロジー。本書が発表されてからずいぶん時が経っていることもあり(エッセイで自虐的なまでに謙遜していた倉知淳は本格ミステリ大賞を受賞し、北森鴻は亡くなった、まるで大昔だが本書は1999年発売)、ここにある作品のほとんどは各作家...
4 7人の著名ミステリ作家による密室をテーマにしたアンソロジー。本書が発表されてからずいぶん時が経っていることもあり(エッセイで自虐的なまでに謙遜していた倉知淳は本格ミステリ大賞を受賞し、北森鴻は亡くなった、まるで大昔だが本書は1999年発売)、ここにある作品のほとんどは各作家名義の短編集に収められている。未だに本書でしか読めないのは倉知淳の「揃いすぎ」ぐらいか(未確認)。よっていくつかは既読であったがせっかくの機会なので読み直した。 個人的な好みからあまり好きではない作品も(ひとつ)あるが、いずれも各作家の個性が光り、それが多様性を産んでいてとても興味深い。加えて、作品の後の密室に関するエッセイもまた良いアクセントになっていてこれも読みどころである。各作家のファンは、作品自体を既に読んでいたとしても、このエッセイだけを目当てに一度目を通しておいても損はない。 掲載順も良い。機械的な物理トリックをド直球で投げ込んだ有栖川有栖に始まり、様々なヴァリエーションを展開しながら一貫したテーマの各作品が連なり、完全に怪し気な山口雅也で終わる構成は、良く出来たハード・ロック・アルバムを思い起こさせる。何のことはない、単なる作者名の50音順なのだが、偶然というにはちょっと出来過ぎのようにも感じる。 ちなみに本書は既に文庫化されて、その際、西澤保彦の「怪獣は密室に踊る」が加えられていてお得となっているが、つい先日「怪獣は〜」が所収された『笑う怪獣 ミステリ劇場』を読んだばかりなので個人的には何ら問題はなく、そもそも「怪獣は〜」自体がちょっとアレなのでやっぱり問題はない(どれにも似ていないのであっても良い)。加えて、まるでヘヴィ・メタルのアルバム・カヴァーのような表紙イラストの単行本の方が素敵(扉の印刷もイカス)という理由で本書にも多いに価値はある、と勝手に思っている。
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タイトルの示すとおり7人の作家による「密室」に関連したミステリを集めた短編集。 有栖川有栖「壺中庵殺人事件」・・・入り口の扉が天井についた地下室で吊るされた死体。窓が一つもなく自殺に思える状況だが、ただひとつの事実がその可能性を打ち消していた。死体の頭部には、あろうことか壺が被...
タイトルの示すとおり7人の作家による「密室」に関連したミステリを集めた短編集。 有栖川有栖「壺中庵殺人事件」・・・入り口の扉が天井についた地下室で吊るされた死体。窓が一つもなく自殺に思える状況だが、ただひとつの事実がその可能性を打ち消していた。死体の頭部には、あろうことか壺が被さっていたのである。 (※火村教授&作家アリスの短編) 恩田陸「ある映画の記憶」・・・小学生の頃に1度見ただけの映画の記憶。海の真ん中に取り残され、満ち潮の中消える母親―――深く刻まれたその映像が、叔父の葬式の後にまた押し寄せてきた。衝動に駆られて映画のストーリーを追ううちに、またも押し寄せてきたのは叔母が死んだ夏の記憶だった。 北森鴻「不帰屋」・・・民族学助教授・蓮丈那智の書き散らしたファイルを整理していると、2年前の事件についてのファイルを見つけてしまった。東北のある村で「女の家」についての調査中、雪に囲まれた離屋で女性が静かに「殺害」された、あの事件の・・・。 倉知淳「揃いすぎ」・・・「謎解き問題に挑戦してみませんか」 軽く語りだされたのは、4人の友人たちが麻雀に耽った日の夜。仏間からか細い声が聞こえた数分後に、麻雀会場の家主が仏間の隣の部屋で死んでいた――まるで亡き奥さんに呼ばれたかのようだったという実話であった。 (※猫丸先輩の短編) 貫井徳郎「ミハスの落日」・・・老富豪は、亡き幼馴染の息子を家に招待してまるで懺悔のように長い話を始めた。30数年前、久しぶりに会った幼馴染の彼女にひどい仕打ちを・・・暖かで美しい思い出の中に唯一あった暗い事実を暴き出してしまったことを。 法月綸太郎「使用中」・・・新しい作品の構想を語る推理小説家。それを聞く、やる気のあまりない担当編集。彼らは知らなかった。構想のヒントになった小説の密室状況に似通った状況が、自分たちに降りかかってしまうとは。 山口雅也「人形の館の館」・・・推理小説家となったヒューは、学生時代に1人の女性をめぐって喧嘩別れした友人・ニコラスの館に招かれた。集められたドールハウスの説明に夢中になった2人だったが、彼が招かれた理由はそれではなかった。実は、妻の殺人予告が届けられたというのだ。 密室・・・それは推理小説の読み手にとっても書き手にとってもなんとも甘美でありつつもにがく苦しい、美酒のような毒薬のような。そんな相反するものの象徴のような存在。 だからね。私が本のタイトル見ただけで手が伸びちゃっても、それはどうしようもナイコトなのよ!! いや、ちゃんと中身も面白かったです。ただタイトルにはそれほどの引力があると主張したいだけで。 でもこの作品群、実は「密室の謎解き」を目的にしているのって1・・・2話程度なんじゃないでしょうかね。ほとんどの作品は、密室を扱った、あるいはアプローチに使っただけではないかと思います。おかげで全体的に硬くならず、推理モノのアンソロとしては読みやすくはなったのかも。・・・・詳しい人にはちょっと物足りないかもだけど、ね。 私が面白く読んだのは、まずは「不帰屋」。民俗学からのアプローチというのが今までに読んだことがなかったので新鮮でした。今度北森作品も読んでみようと思います。 それから次に「使用中」。法月作品読むのは実は久しぶりなのですがv 密室の状況を上手く利用して緊迫感が出ています。目から鱗。「雪隠詰め」の説明も生きてます。のりりん、がんばれー! ちなみに各作品の後には、各作家による密室についてのエッセイ(書き下ろし)が掲載されてますよー。
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