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八十路から眺めれば
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 草思社/ |
発売年月日 | 1999/08/19 |
JAN | 9784794208996 |
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八十路から眺めれば
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商品レビュー
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1980年頃に出た、当時80代に入った文芸編集者のエッセイを、1999年になって日本で翻訳出版している謎。
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老年について書かれた論考は思いのほか世間に溢れている。しかし、多くは50代、60代の書き手によるものだ。著者に言わせれば彼・彼女らは少年、少女であって、文学には詳しくとも人生を語るにはまだ若い。本書は真の老人として80歳を迎えたカウリーが、ひとりの人間として見える景色を滋味豊か...
老年について書かれた論考は思いのほか世間に溢れている。しかし、多くは50代、60代の書き手によるものだ。著者に言わせれば彼・彼女らは少年、少女であって、文学には詳しくとも人生を語るにはまだ若い。本書は真の老人として80歳を迎えたカウリーが、ひとりの人間として見える景色を滋味豊かに綴る貴重なエッセイである。 老人たちは、「お前は老人だ」というメッセージを嫌が応にも受け取ることになる。その生々しい状況を具体的に列挙してみよう ・以前なら本能的にやってのけた簡単なことが、考え考え、段階を踏んで、ようやくなしとげられる大仕事になったとき ・骨に痛みを感じるとき ・洗面所の戸棚に一日4回服用などと書かれた小壜が増え始めたとき ・誤って歯ブラシを取り落としたとき ・皺やでこぼこは甚だしく、髭を剃っていて顔を切ってしまったとき(タオルに血がつく) ・去年より足先が手から遠ざかったように感じるとき ・片足で立つことができず、ズボンをはくのに難渋するようになったとき ・階段を下りる前に踊り場で一瞬ためらうとき ・どこかに置き忘れた物を探す時間のほうが、それを自分で見つけてから使用する時間よりも長くなったとき ・昼下がりに眠気が襲ってきたとき ・二つの事柄を同時に記憶にとどめることが困難になったとき ・美しい女性と街ですれちがっても振り返らなくなったとき ・人の名前を、それも先月あったばかりの人の名前を思い出せないとき ・笑い話に耳を傾けていて、ほかのことはなんでもわかるのに話のおちだけがわからないとき ・79歳から80歳までの一年間はまるで少年時代の一週間のようだ。 以上はごく身近なメッセージの一部にすぎないという。若い人間から見ると想像を絶する世界だ。 また80歳を達しないうちに、思春期以来ぶりに第二の自己認識の危機を迎えるようになるという。それに伴って強欲、乱脈、虚栄といった悪徳が目を出すことになる。一方で数々の障害を克己心をもって乗り越え、80年という歳月を超えてなお「まだ勉強中」であるという初心を持ち続けることができるものもいる。自分もかくありたいものだと得心した。そしてこうした老人たちに本当に必要なによりのオアシスは、仕事というやるべき使命なのだ。
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