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シンボルスカ詩集 世界現代詩文庫29
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 土曜美術社出版販売 |
発売年月日 | 1999/12/20 |
JAN | 9784812012017 |
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シンボルスカ詩集
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商品レビュー
3.5
3件のお客様レビュー
ポーランド語独特のリズム感があるのだろう。幾つかの作品は、文字を辿るだけでじわりと来るものがあった。精密な夢を追っているように視点が自在で、最初は悪酔いした気がし読み進められなかった。意味不明だなと思っていると「あっ分かる」という言葉に出会う。翻訳は、特に固有名詞は日本語で一般的...
ポーランド語独特のリズム感があるのだろう。幾つかの作品は、文字を辿るだけでじわりと来るものがあった。精密な夢を追っているように視点が自在で、最初は悪酔いした気がし読み進められなかった。意味不明だなと思っていると「あっ分かる」という言葉に出会う。翻訳は、特に固有名詞は日本語で一般的な発音表記にしてほしいなと思う。
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石内都の写真集『ひろしま』の栞で知った詩人・シンボルスカ。その名を、こないだ管啓次郎さんのブログで見かけて、図書館に詩集があるかと所蔵検索をしてみたら、この『シンボルスカ詩集』と『終わりと始まり』、そのほかに、シンボルスカの詩も収録されているアンソロジーが2冊あった。 『ひろし...
石内都の写真集『ひろしま』の栞で知った詩人・シンボルスカ。その名を、こないだ管啓次郎さんのブログで見かけて、図書館に詩集があるかと所蔵検索をしてみたら、この『シンボルスカ詩集』と『終わりと始まり』、そのほかに、シンボルスカの詩も収録されているアンソロジーが2冊あった。 『ひろしま』の栞に掲げられていた「世紀の没落」が入っていたので、『シンボルスカ詩集』を借りてきた。初期の作品から1999年の最新作まで、シンボルスカの詩作のあらましがわかる。 私の印象にのこった、たとえばこんな一節。 「たとえ私が丘の上にいたとしても/薔薇のように花を咲かせることはない/薔薇は薔薇として花を咲かせ/それ以外のなにものでもありはしない/そうではないか」(p.22「試み」) 「また再び訪れた春への/悲しみはない/毎年のようにそのつとめを果たす/春を責めるつもりはない」(p.101「景色との別れ」) 「人間のつくり出した国境とは/なんと疎漏なものであることか!/どれほど多くの雲がその上を罰せられもせず/とおりすぎていくことか/どれほど多くの砂漠から吹き飛ばされてきた/砂塵が国から国へとふりまかれていることか/どんなに多くの山の小石が他国の領土へと/転出していったことか」(pp.72-73「詩篇」) 巻末の解説によると、シンボルスカは編集者として勤めていた文学新聞やその他の文芸誌に、30年にわたって、数百冊に及ぶ書物の書評を書きつづけてきた。「仕事だったとはいえ古今東西の出版物を読破し、日本語にして1500字から2000字の書評を書きつづけてきた」(p.135)その本は、実に幅広いものだという。 シンボルスカの詩のことばと同じくらい、30年にわたって書いてきたという書評がものすごく気になる。(あちらでその書評集などは出ていないのだろうか、そして翻訳されないだろうか…) 1999年の最新作のひとつ「老いについての考察」を読んでいて、木村栄さんと向井承子さんに『We』で書いてもらっている「往復書簡」のことが重なった。その最後の一連。 「これから年をとっていくひとへのアドバイスとしては/歯をくいしばり 人生をあざ笑うがよい!/朝起きたらすべての部品を集め/新聞の死亡欄に目を通し/もし自分の名前がそこになかったら/それはつまりまだ「元気で生きていること」の証」(p.114「老いについての考察」) (11/3了)
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20世紀ポーランドを代表する詩人、ヴィスワヴァ・シンボルスカの詩、および書評が収められている。編集と訳業をともにこなした、つかだみちこ氏の努力がしみじみ感じられる編成で、印象的で優れた作品のみが丁寧に日本語に置き換えらている。すばらしい読書体験をさせていただいた。 「玉葱」から...
20世紀ポーランドを代表する詩人、ヴィスワヴァ・シンボルスカの詩、および書評が収められている。編集と訳業をともにこなした、つかだみちこ氏の努力がしみじみ感じられる編成で、印象的で優れた作品のみが丁寧に日本語に置き換えらている。すばらしい読書体験をさせていただいた。 「玉葱」から「政治」まで、題材は様々である。絵に浮かぶような巧みな描写と、シニカルな眼差し、そして、個別的な体験に焦点を定めつつもその背後に大きな世界の広がりを感じさせる。普遍性をそなえた類い稀な詩人である。(駄作も多いようだが)
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