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ラーエル・ファルンハーゲン ドイツ・ロマン派のあるユダヤ女性の伝記
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ラーエル・ファルンハーゲン ドイツ・ロマン派のあるユダヤ女性の伝記

ハンナ・アーレント(著者), 大島かおり(訳者)

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ラーエル・ファルンハーゲン ドイツ・ロマン派のあるユダヤ女性の伝記

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 みすず書房/
発売年月日 1999/12/17
JAN 9784622038054

ラーエル・ファルンハーゲン

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2020/09/26

ラーエル・ファルンハーゲン―ドイツ・ロマン派のあるユダヤ女性の伝記 (和書)2012年02月27日 19:45 ハンナ アーレント みすず書房 1999年12月 非常に面白い作品でした。 ・・・わたしの場合、侮辱されたという気持ちになるのは、だれかがわたしを不当に扱いながら...

ラーエル・ファルンハーゲン―ドイツ・ロマン派のあるユダヤ女性の伝記 (和書)2012年02月27日 19:45 ハンナ アーレント みすず書房 1999年12月 非常に面白い作品でした。 ・・・わたしの場合、侮辱されたという気持ちになるのは、だれかがわたしを不当に扱いながら、わたしにはそういうことをしてもいい、自分は罰を受けることはない、と思っていることがわかるときだけです。・・・ アーレントさんがこういった作品を書いていることが凄く刺激になった。 パーリアということと侮辱ということについて考えさせられる。それだけではなくアーレントさんがラーエル・ファルンハーゲンさんをどう見ているかが、そして自分自身との対話としての哲学とそこから一切の関係性を覆すと言う意味と同じ意味で人との関係性の裂け目を繕うということを自己批判としてあり得る稀有なあり方が見えてくる。アーレントさんの政治思想が見事に顕れている。 読めて良かったです。

Posted by ブクログ

2017/08/06

ハンナ・アーレントが学位取得論文「アウグスティヌスの愛の概念」についで取り組んだ2冊目の本。 この本の著作は、1920年代末にベルリンでスタート(当時、アーレントは20代後半)し、ナチが政権をとった33年には、最後の2章を残してほぼ書き上げられていた。 33年に、アーレントは...

ハンナ・アーレントが学位取得論文「アウグスティヌスの愛の概念」についで取り組んだ2冊目の本。 この本の著作は、1920年代末にベルリンでスタート(当時、アーレントは20代後半)し、ナチが政権をとった33年には、最後の2章を残してほぼ書き上げられていた。 33年に、アーレントは、ドイツからフランスに非合法に亡命し、パリにて、38年にこの本の原稿は完成。その後、フランスがナチに占領されたことをうけ、アーレントは、フランスからさらにアメリカに亡命。 この原稿はアーレントとともに旅をして、57年に英語翻訳版がアメリカで出版。ドイツ語版は59年出版。 アーレントが有名になったのは、戦後の「全体主義の起源」なので、まだまだ無名時代の作品。書き始められてから出版まで30年くらいの年月がたっていて、その間、アーレントと世界は、想像を絶する全体主義とユダヤ人絶滅政策、第2次世界大戦を経験している。 「ラーエル・ファルンハーゲン」は、19世紀のドイツ・ロマン派の時代の人で、ベルリンでサロンを開いていたユダヤ人。ユダヤ人でありながら、ドイツ社会に同化を試みて、成功した人。と世の中的には捉えられているが、アーレントによると、同化しようとしつつも、つねに疎外感を感じつづけ、最後には、ユダヤ人であることを受け入れた人。 らしい。 全く、知らない人の伝記なのだが、アーレントは、ほとんど伝記的な事実を書かずに、ラーエルが自伝を書いたとしたらこんなふうに書いたかも、みたいに本人に成り代わって書いている感じ。 多分、自伝を書くとしても、ある程度の事実は書くと思われるので、「本心をそのまま書く日記があったとしたら」みたいな設定かな? なにが起きたのかというのは、本人にとってはもう自明のことで書く必要がないという前提で、本人の感情や本心にフォーカスをあてて語っている(ある意味、ドイツロマン派をその流儀で語るという実験?)。 ドイツ語版では、現在形で書かれているらしく(アーレントが学んだ現象学の影響?)、そういう意味でも、かなり特異な方法論にもとづいて書かれていると思われる。 と言っても、日本では、ラーエル・ファルンハーゲンみたいな人は全く知られていないわけで、ネットで検索しても、引っ掛かってくるのはアーレントのこの本ばかり。 本の参考についている短い年譜を参考にしながら、読んで行く。 アーレントの哲学的な難解な著作に比べれば、文学的な要素が強いので、読み易いかなとは思うが、読んでいて、なんとも息が苦しくなってくる。いろいろな感情のひだが体にまとわりついてくるような感じ。 また、この本の執筆の過程で、どんどん強まって行く反ユダヤ主義のなかでの危機感がラーエルの物語に地下水として重ね合わせられいく感覚。 いわゆる伝記というものを超えた特異な作品で、この本自体をどう評価するのかは難しい。 が、後のアーレントの「ユダヤ人」関係の著作を読むときの出発点になるとともに、彼女のその後の人生をかけた探究の内的な動機、エネルギーに直にふれることができる希有な作品かな。 アーレントは、「百年以上も前に死んだけれど、ラーエルはわたしの親友です」と述べているらしい。これは、勿論、精神的な親和性を感じたということだと思うが、戦後、有名になった後、アーレントのニューヨークの自宅は一種の知的なサロンになっていたことを考えると、本当にこの2人のユダヤ人女性は共鳴していたんだろうなと思う。 サロン主催者としてのアーレントみたいな視点も面白いかもしれないな。 さて、つぎは、いよいよアーレントの政治思想としての主著「全体主義の起源」に挑戦します。

Posted by ブクログ

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