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周恩来『十九歳の東京日記』 1918.1.1~12.23 小学館文庫
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周恩来『十九歳の東京日記』 1918.1.1~12.23 小学館文庫

周恩来(著者), 矢吹晋(編者), 鈴木博(訳者)

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周恩来『十九歳の東京日記』 1918.1.1~12.23 小学館文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 小学館/
発売年月日 1999/10/01
JAN 9784094036213

周恩来『十九歳の東京日記』

¥660

商品レビュー

4.5

4件のお客様レビュー

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2023/05/03

周恩来。家は貧しい。天津の学校で学業優秀。19歳。友人などから少しづつお金を募って日本へ留学。長江に歌うのをやめ、意を決して日本に向かい、科学をしっかり学び、貧しい祖国を救おう。 異文化。日本食。故郷の魚食の風味にとても似ているが、油で調理するものが少なく、火で焼くものが多い。...

周恩来。家は貧しい。天津の学校で学業優秀。19歳。友人などから少しづつお金を募って日本へ留学。長江に歌うのをやめ、意を決して日本に向かい、科学をしっかり学び、貧しい祖国を救おう。 異文化。日本食。故郷の魚食の風味にとても似ているが、油で調理するものが少なく、火で焼くものが多い。▼学生向けの旅館(神田)にすむ。日本の旅館は中国の旅館よりも静かで、喧嘩がないので、勉強するのに便利。▼浅草で映画・オペレッタを観た。神田劇場で芝居を観た。▼旅館の女中と女将から部屋代と食事代が1元あまり不足していると言われ、1元だけなので数日待ってくれと頼んだが、取り合ってくれない。日本語も話せないので、相手にせずに逃げた。▼上野公園。幽雅な感じがする。学生たちが、読書をしたり、散策したり、スポーツをしている。なにをするにも教育的な意味を含んでいる。二人の小学生が地面にうずくまって、土を盛り上げている。中国の子どもが土で遊ぶのと同じだと思った。 祖国。日本の小学校の教師は教育的な能力を持っている。日本人の知識は子どもの頃から鍛え上げられる。中国人は一知半解であり、事理に精通しているとは言えない。▼日本の新聞は毎日1時間かけて読む。彼を知り己を知れば百戦してあやうからず。▼日本の中国人留学生は立憲君主派と革命派に分かれている。陳独秀の『新青年』を読んだ。河上肇の『社会問題研究』を読んで、マルクス主義にひかれる。▼中国二千年の歴史。思想・学術は見識が狭くて偏っている。文化は進歩しなければ退歩する。欧州や日本の文化は新しい。彼らは中国を支配しても、清朝のように中国の民族性により軟化されることはない。 勉学。神田の日本語予備校(東亜学院)で日本語を学ぶ。日本に来て4カ月経つが、日本文・日本語は少しも上達しない。(現)筑波大学を受験するも不合格。非常にいらだっている。1日の勉強スケジュールを作った。睡眠は7時間。勉強13時間30分。休憩その他3時間30分。時間割通りに勉強しよう。(現)東大教養学部を受験するも不合格。勉強不足・日本語能力の低さを嘆く。日本に来たのに日本語をうまく話せず、とても恥ずかしい。自暴自棄。こんなことで、いかなる国を救うのか。いかなる家を愛するのか。 - 日本、日清戦争に勝利 1895 - 孫文(興中会)、広州で武装蜂起失敗 1895 - 孫文、日本へ亡命 1895 - 西太后、康有為・梁啓超(近代化推進)を弾圧(戊戌の政変) 1898 - 康有為・梁啓超、日本へ亡命1898 - 義和団事件 1899 - 陳独秀、東京の成城学校へ留学 1901 - 日本、日露戦争に勝利 1905 - 蔣介石、日本へ留学 1906 - 中国、君主制から共和制に1911 - 李大釗、早稲田大留学中、河上肇(京都大)の著作を通じてマルクス主義に傾倒1913 - 孫文、東京で中華革命党を組織 1914 - 日本、青島(山東半島)を独から奪取1914 - 二十一か条要求 1915 - 陳独秀・李大釗、上海で新青年創刊 1915 - 袁世凱、死去 1916 - 周恩来、日本へ留学 1918 ★ - パリ講和、日本の権益(二十一か条)の承認 1919 - 反帝国主義運動(五四運動) 1919 - 周恩来、帰国、五四運動に参加 - 孫文、中国国民党を組織 1919 - 陳独秀・李大釗、ソ連コミンテルンの指示に従い、中国共産党を組織 1921

Posted by ブクログ

2021/12/27

1900年代初期の日本の懐かしい写真がたくさん出ています。カルピス、日本初の三越のエレベーターとか。素敵です。

Posted by ブクログ

2019/04/17

紐解いて中身の濃さに驚いた。二十歳前の中国青年の約一年間の留学準備日記を、言葉の説明はもちろんの事、地図や風俗、時代背景を事細かに書き記して補っているのである。周恩来にあまり興味なくても、1918年つまり100年前の東京の雰囲気を知る上でも興味深い。こんな労作が、99年に文庫本で...

紐解いて中身の濃さに驚いた。二十歳前の中国青年の約一年間の留学準備日記を、言葉の説明はもちろんの事、地図や風俗、時代背景を事細かに書き記して補っているのである。周恩来にあまり興味なくても、1918年つまり100年前の東京の雰囲気を知る上でも興味深い。こんな労作が、99年に文庫本で出たことが不思議でならない。Amazonでは、現在約三倍の高値(1,860~)がついている。こんな良本が絶版になるぐらいに、日本人というのは狭量な民族だったのだろうか。 周恩来は、2回受験に失敗する。どうやら日本語が、すらすらと読んだり話せたり出来ないと合格できなかったようだ。無理でしょ、半年そこらの留学じゃ。彼の頭の良さは4月23日の日記で私は認めた。東京堂という本屋で、『露西亜研究』という雑誌を立ち読みし、その場で暗記したことをその日の日記に書いている。ロシア革命は前年の秋のことである。だからここに書いている現在ロシアの党派の分析、特に社会民主党の中のレーニン(この名前も初めて知った筈だ)率いる過激派(ボリシェヴィキ)や温和派(メンシェヴィキ)の方向性の違いをきちんと理解して暗記して、おそらく日記帳数ページに渡り書き記す記憶力は物凄いものがあるし、特にこの内容を日記に記すことを選択した周恩来の時代を見る眼にも瞠目した。 日記には常に【通信】欄を欠かさず書いていて、おそろしいほどのハガキ魔だったことがわかる。友愛を大切にする姿勢は、いろんな所に散見する。 受験勉強もしているが、時代が要請する愛国運動にも参加する。やがて彼は後者を選ぶ。1人の革命家は、まだ何者でもなかった時期に、それでも非凡だったと私は思う。

Posted by ブクログ

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