アーキグラム

アーキグラム(編者), 浜田邦裕(訳者)

• 販売会社／発売会社: 鹿島出版会
• 発売年月日: 1999/09/20
• JAN: 9784306043923

商品レビュー

2014/11/18

現在の建築界に影響を与えている事は確かだ。
グローバリズムにも影響を受けながら、地域性などの多くの不条理までも包括出来るような都市構成の考え方は、今でも参考になる。
アーキグラムでは、それを活かして、各々の考えるモノを増殖的に共存させているが、本来ならば様相論から隆起すべきとも感じる。
ただ、全てをアーキグラム内で表現してしまっているため、独特の世界観があり凄く刺激的だ。

2011/04/02

1960年代にイギリスで生まれた雑誌の、日本語訳（浜田邦祐訳）。
『アーキグラム』というタイトルで刊行された件の雑誌を一冊にまとめてあり、アーキグラムという集団が実際にどんなことをやっていたのかを知るにはいい。

感じるのはそのエネルギーだ。そして何か動きが始まるところには、確実にその無謀とも思える爆発的エネルギーが存在する、ということをアーキグラムは思い出させてくれる。

思想とか、言語とか、そういうのを全部抜きに考えても面白く、それはやっぱりグラフィクスの勢いのせいだ。いま一番とんでもないことを、建築という良識ある分野に対してやってしまおう、やらかしてしまえ、という意識、勢い、若さ、そういうことが全部詰まっている。色濃いグラフィックを見ているだけでくらくらとする。カウンターを当てている、まさに純粋に。

今では古き良きで済まされてしまうことも当時はアヴァンギャルドで、単純に「なんかカッコイイ」で終わらせるのはもったいない。彼らから学ぶべきなのは、現された図面、それはまさしく図面だと思うのだけど、その図面に詰め込まれた情報とその情報を詰め込んだ情熱と、そしてその情報を如何に配置したか、如何に宣伝したか、その宣伝の方法が紙面のみであったということを含めて、現在の状況について考えること、感じること、その行為をなんだろう。