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シングル・セル 講談社文芸文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社/ |
発売年月日 | 1999/08/10 |
JAN | 9784061976757 |
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シングル・セル
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商品レビュー
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6件のお客様レビュー
自分にとってのオールタイムベスト小説。 何年かぶりに最初から読み返した。以前よりも受ける感銘は深かったように思う。 わからないからこそわかりたくてどうしようもなく惹かれてしまう他者との関係の難しさや、自分のことだけ考えていれば済む一人の気楽さを乱す他人の侵入に戸惑いつつも執着し...
自分にとってのオールタイムベスト小説。 何年かぶりに最初から読み返した。以前よりも受ける感銘は深かったように思う。 わからないからこそわかりたくてどうしようもなく惹かれてしまう他者との関係の難しさや、自分のことだけ考えていれば済む一人の気楽さを乱す他人の侵入に戸惑いつつも執着していく過程の描写の見事さに感嘆する。 小説と理系的を読み、著者自身の生い立ちを知ってから読み返したので、主人公やヒロインの人生や行動は、家族から離れたくて高校を中退して失踪した著者の想像した、ありえたかもしれない人生なのかもしれないと思った。 最後の夜のヒロインが素晴らしい。ようやく秘密を打ち明けてくれたと思わせておいて、翌朝になれば半分は本当だがもう半分は嘘、都合のいいところだけ信じてくれと書き残して姿を消してしまう。 他者はひとつの謎。人はみな自分の色眼鏡で他者を見ている。相手がどういう人間だろうと見る主体にそう見えるならそれが現実なのだ、彼もしくは彼女にとっての。 結末がどうしようもなく切なくてつらい。 歳をとったせいか、読み終えて少しこたえた。
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作者にしては珍しく、男性が主人公の物語。 孤独な大学院生の椎葉幹央が山の宿で竹沢稜子と出会い、幹央のアパートで稜子とともに暮らすようになる。幹央にも何故稜子がアパートに居ついてしまったのかがわからない。結局、最後には稜子はいなくってしまう。幹央は就職し、次第に稜子の面影を探すこともなくなる、というところで物語は終わる。 2人の出会いの場面で、シングル・セル(孤細胞)の話題から、人間も大勢でいると、無性に一人になりたくなることがあり、命はそのようにできていると会話が進む。シングル的な存在である人間が、他者との関わりにおいて、シングルの状態を維持することは容易ではない。稜子にとって、椎名はシングル的な状態でいることを許してくれる存在であったのではないかと感じた。 著者のシングル性についての考察が書かれた『シングル・ノート』も読み応えがありました。
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泉鏡花文学賞。 親が早死にしてしまったため、生活のために自分の意思を持てないまま育った大学院生。大学からもついに振り落とされ、なにかに気がついたような気がつかないような。 不幸な「雰囲気」だった主人公の男が、後半に登場した変な女と絡んでから、何を独白しても孤独の言い訳三昧に読めてしまい、醒めてしまった。感じ取れた佇まいは「孤独」ではなく「ついていけない置いてきぼり」感であった。
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