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アムステルダム Crest books
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アムステルダム Crest books

イアン・マキューアン(著者), 小山太一(訳者)

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定価 ¥1,980

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社/
発売年月日 1999/05/30
JAN 9784105900090

アムステルダム

¥220

商品レビュー

3.6

10件のお客様レビュー

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2023/09/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ある意味平凡で善良な一市民の2人が、「特筆すべきも無いが非道徳な行い」によって足元を掬われ崩壊していく様を、徹底的に削ぎ落とされた文章で綴っていく。 展開も着地点も読めないままに読み進めていくある種の緊張感は新鮮な読書体験だった。 音楽家の仕事ぶりだけはやたら綿密に描写され、だからこその(笑ってしまいそうな)ラストの衝撃は圧巻だった。よく練られている。 タイトルも含め機知に富んだブラックユーモア。 好き。

Posted by ブクログ

2021/03/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

イアン・マキューアン作品。初。(贖罪は、積読中) 「ああなるくらいなら自殺したはずだよ。」かつての恋人「モリー」の死に対するこの科白から始まる物語は、その言葉を自らが受けるように自殺(安楽死)させられることになる。 モリーの死の原因におびえ、二人は「自分が”ああなった”場合、安楽死させてほしい」という約束を相互に結んだ。だが、”ああなる”状態は、いかようにも解釈できてしまった。1つの行為が、「彼の正義感」とも、「彼の狂気による乱心」とも。そして、後者の場合…。 "自分が自分らしい自分であること"。これを他者に認めてもらうことができるのだろうか?「私のこの判断・意見は、自分の理性・感情から考えて間違っていない」ことを他者がそう考えてくれることは可能でしょうか? 見解の違いや意識の違いは、普段なら傷つけあうことがあっても、お互いを認めることができる。ただし、それは常であろうか? その”違い”を正確に判断できない場合、歪曲した場合、その人のその人らしさの否定にもつながるのではないか。ふと、そんなことを考えた。 クライヴ:「降りてきた神」をつかみ損ねたのかもしれない。あるいは、手が届かなかったかもしれない。神が手を差し伸べなかったのかもしれない。それを知ったときは、原因を作るしか逃げ道はないのでしょうか。静かに降りるしかないのでしょうか。 ヴァーノン:「本来公開しなかったもの」を、公開することによって、地位も仕事も失うことになった。どんな理由があれば、行為は正当化されるのだろうか。亡くなった彼女にとって。そして、非難したクライヴにとって。 二人は、それぞれの社会・世界で、他者の生き方・考え方を尊重できなかったのかもしれない。理解できなかったのかもしれない。その違いを。だから、それを狂気とみなし、”ああなった”とみなし、…。 ただ、生き残っていた場合、「ああなるくらいなら、…」、そんなことも思わせられる。 印象的なフレーズは: ★いい論点ですな。しかし、実世界では正義のシステムも人間的な過ちをまぬかれないものでして ★友人たちの多くは適当と見た時には天才カードを出して、一部の人間にどんな迷惑をかけようとも結局は崇高な天職の厳しさに尊敬を増すことになるという信念のもとに、いろいろな会合をさぼっていた ★探していた音楽が、少なくともその音楽の形を知る鍵が聞こえたのだった。天の贈り物だった。 ★ジャーナリズムはある点で科学に似ている。賢明なる反対論によっても葬られずに、かえって力を得るようなアイデアこそ最上であるという点で。 ★自分は疲れ、才能をしぼりとられ、年老いてしまった。 ★ベルが鳴って、それから沈黙。去っていった。一瞬、あのかすかなアイディアは失われた。

Posted by ブクログ

2016/02/17

 “それぞれの過ちに―”  ロンドン社交界の花形モリーが亡くなった。痴呆状態で迎えた哀れな最期だった。夫のいる身で奔放な性生活をおくった彼女の葬儀には、三人の元恋人たちも参列。やがて彼らは、モリーが遺したスキャンダラスな写真のために過酷な運命に巻き込まれてゆく。  「悲しみ...

 “それぞれの過ちに―”  ロンドン社交界の花形モリーが亡くなった。痴呆状態で迎えた哀れな最期だった。夫のいる身で奔放な性生活をおくった彼女の葬儀には、三人の元恋人たちも参列。やがて彼らは、モリーが遺したスキャンダラスな写真のために過酷な運命に巻き込まれてゆく。  「悲しみだけのメロディーではなかった」クライヴ  英国を代表する作曲家。道徳性を重んじ、故人の意思を尊重しようとする彼は、見つかった写真が世間の目に触れないよう事を運ぼうとする。彼の思う、モリーが本当に望んだこととは一体何なのか。  「癌の万能薬というのは意味をなさない」ヴァーノン  辣腕の新聞編集長。厳格で仕事第一の彼にとっては、今回の事件は他に類を見ない特ダネ。周囲の意見を押しのけ、是が非でも写真を手に入れようとする中で、彼は旧友のクライヴとも対立を余儀なくされていく。  「われわれ全員がだまされていたんだ」ガーモニー  強面の外務大臣。次期首相候補であり、政権交代を間近に控えた彼は、自らの保身のためなんとあっても醜聞は避けなければならない。あらゆる権力を行使して写真の存在を葬ろうと画策するが。  イギリス文学の奇才、イアン・マキューアンによる洗練の極みの長編。一歩でも間違えば身を滅ぼす細い綱の上、果たして最後に笑うのは誰なのか。98年ブッカー賞受賞作。  そんなお話。

Posted by ブクログ

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