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遁げろ家康(下)
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 朝日新聞社/ |
発売年月日 | 1999/11/05 |
JAN | 9784022573780 |
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商品レビュー
3.8
5件のお客様レビュー
「本能寺の変」という驚天動地の大事件後の、家康一行の伊賀越えは、言語に絶する苦難の行程だった 〝人生の成否は、過半努力の賜物だというが、そんなことはない。九割以上が天運である。人はいつか巡り来るであろう天運を信じて、あらゆる事に努力するしかない。その努力が遂に報われざることも多々...
「本能寺の変」という驚天動地の大事件後の、家康一行の伊賀越えは、言語に絶する苦難の行程だった 〝人生の成否は、過半努力の賜物だというが、そんなことはない。九割以上が天運である。人はいつか巡り来るであろう天運を信じて、あらゆる事に努力するしかない。その努力が遂に報われざることも多々ある。その時は諦めるほかない〟・・・ 「大坂夏の陣」での真田の士卒は、死に物狂いで家康の本陣に突進してきた。家康は肝を潰して「遁げろ!」・・・1616年(元和2年)4月17日、家康は静かに息を息を引きとった。 享年七十五。
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とんでもなく面白い。慎重居士、狸オヤジと一般に表されている家康を「臆病者」という視点から描き、勇猛律儀の聞こえ名高い三河武士は視野の狭い強欲田舎ものになってしまっているが、決して貶めている筆運びではない。 随所に出てくる家康の「ぼやき」が実にいい。家臣の勇ましい提案に「ばかか...
とんでもなく面白い。慎重居士、狸オヤジと一般に表されている家康を「臆病者」という視点から描き、勇猛律儀の聞こえ名高い三河武士は視野の狭い強欲田舎ものになってしまっているが、決して貶めている筆運びではない。 随所に出てくる家康の「ぼやき」が実にいい。家臣の勇ましい提案に「ばかか、こいつら」とか、「こいつらどこまで欲深なんだよ!」。信長に出兵を要請されると「おいおい、またかよ」。 特に関西では嫌われ者の家康だが、池宮彰一郎の手に掛かると愛すべき人物に見えてくる。 上巻ではひたすら小心者の家康だったが、下巻では広く日本経済を見通す目を持つようになる。 豊臣秀吉の朝鮮出兵は、実は応仁の乱以降続いてきた戦争景気が、秀吉の天下統一がもたらした平和により一転デフレに陥る危機を救う目的だったという説はもとよりあるが、家康はこの「天下の重大なる秘密」に気付き、経済を振興することに腐心する。江戸の大改修を各地の大名に請け負わせたのも、じゃぶじゃぶとカネをまき散らして景気を維持するのが目的であった。 深い掘り下げには至っていない本書だが、着眼点とスピード感で読む者を掴んで話さない、一流のエンタメ小説である。司馬遼太郎の作品との類似性を指摘され、絶版・回収となったのが惜しまれる。
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小心ですぐ逃げようとするのが、外からは重厚・慎重に見え、家臣の欲に引きずられて天下を取る。文章が会話よりも心中を「」で表現していて面白い。駆け足で生涯を描いているのでダイジェスト版を読んでいる感じ。
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