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綺想の饗宴 アリス狩り
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綺想の饗宴 アリス狩り

高山宏(著者)

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綺想の饗宴 アリス狩り

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 青土社/
発売年月日 1999/06/15
JAN 9784791757206

綺想の饗宴

¥2,475

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2018/11/16

1999年刊。ファンと言いつつ未読のものがあり、これもその一冊。エピローグの言によれば「マニエリスムを前面に押しだして丸々一巻」とのこと。 本文中にある極めて分かりやすい記述から引用すれば、「言語やイメージにおける沈滞を、かつての材料をバラバラにして再編成する結合の妙をもって突破...

1999年刊。ファンと言いつつ未読のものがあり、これもその一冊。エピローグの言によれば「マニエリスムを前面に押しだして丸々一巻」とのこと。 本文中にある極めて分かりやすい記述から引用すれば、「言語やイメージにおける沈滞を、かつての材料をバラバラにして再編成する結合の妙をもって突破しようとする技術とその理論をマニエリスムと呼ぶ。」その術は「結合術(アルス・コンビナトリア)」「驚異の術(アルテ・デラ・メラビリア)」などとも呼ばれた。そのマニエリスムの位相においてバッハの音楽を語り、「何でもない材料を意表をつく結びつきで別次元のものに」変える料理、「異なったさまざまな起源(オリジン)のものをテーブルの上にひとつのものとしてまとめる」術としての食文化を語る。 「マニエリスム、今日は」と題した一文は、一際筆致に熱が籠っているように感じる。 エピローグを読んで、成程これまでの氏の著作は幻想文学、普遍言語、絵画、風景論、庭園、建築、博物学、世紀末論等々、悉くマニエリスティックな関心から辿られていたのだなあと納得。そして海外の最新鋭の学知を抜群のアンテナで摂取、吸収した上で、ジャンルも洋の東西も問わず、自在に横断し越境し繋いでいく氏の諸作が、何よりもマニエリスティックな身振りであると感ずる。 「テクストの勝利」という『吸血鬼ドラキュラ』を論じた文章なんかが特に好きな自分からすると、もっと文学テクストを扱って欲しいという未練はあれど、相変わらず歯切れのよい「高山節」を愉しく読んだ。 西欧近代の眼差しの両義性――蒙きを啓き、空白を埋め、不分明なものを明晰にする一方、暴きたて、解剖し、腑分けし、テーブル/タブローに並べ立て、囲いこみ、分類化し、秩序化し、馴致し、支配していく構造を諸相――料理、花卉、絵画、写真、映画、庭園、建築、博物学、そして女性――に見ていく氏の文化史観には多くを学んだと実感している。

Posted by ブクログ

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