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魔術師 三原脩と西鉄ライオンズ
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 1999/04/30 |
JAN | 9784163551005 |
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魔術師
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商品レビュー
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★2016年10月1日読了「魔術師 三原脩と西鉄ライオンズ」立石泰則著 評価A 二段で580ページの大作。ページが多い割には、中身が詰まっているので、内容は飽きさせない良いノンフィクションである。 ジャイアンツV9世代の私は、その前の伝説時代の人々(大下、豊田、仰木、青田、川上、別所、稲尾、中西、秋山など)そして、ライオンズ黒い霧事件は直接知らない。その伝説時代の一人、近代日本プロ野球の元祖といわれる三原脩監督に率いられた西鉄ライオンズの短い黄金時代の歴史および三原脩と巨人軍と読売新聞社との長い闘いを語る。戦後早々の職業野球の黎明期の野球界が非常に丁寧に描かれていて、非常に興味深い。そして、巨人軍の身勝手さは、その球団創設時からの遺伝子であることが、今回この本を読んでよく理解できた。また、九州の人たちがどのような思いでライオンズを応援していたのかも、時代背景も含め、当時の雰囲気がよくわかった。 日本初の職業野球人となった早大生だった三原。日本野球界では、頂点だった東京六大学野球を経て、やむを得ずプロ野球契約を巨人と結ぶ。そして、3回も戦地へ赴き、ケガを負い、病魔に侵されて帰国する。彼自身は、結局、プロ野球選手としては、早大時代ほどの活躍は出来ずに引退したようだ。その後、巨人に請われて、監督として戦後の再建に取り組み、戦後の巨人初優勝を勝ち取る。しかし、巨人軍は、戦地から水原茂が帰国すると三原は棚上げされて、追い出される。 その経緯があったために、三原は福岡に発足する西鉄ライオンズの監督に就任。パリーグの覇者となって、セリーグの覇者巨人を打ち破って、日本一となることを目指す。ノンプロ、プロの混成チームだった西日本新聞+西鉄の合併チームの西鉄ライオンズの選手たちを次々に入れ替え、すでにスター選手だった大下を迎え入れ、稲尾、中西などの新戦力を迎えてチームは強化され、すでに強かった鶴岡一人率いる南海ホークスと優勝を争う。そして、奇跡的な戦いを経て日本一3連覇を果たすも、フロントとの確執は解けず、三原は東京に戻る。そして、次はセリーグの万年Bクラスの大洋ホエールズの監督に就任。就任一年目でふたたび奇跡を起こして、セリーグで優勝、日本一となる。 三原の野球人生は、生涯を通して、読売新聞社首脳に対する怒りが満ち溢れている。読売新聞社首脳は、巨人軍を本社の新聞事業の宣伝や各般の道具としてしかとらえず、プロ野球全体の健全な発展など見向きもせず、リーグ制度を自らの都合で揺さぶり、ドラフト制度までも反対、ゴリ押しをする。またそれに同調する他球団。すべての元凶が、そこにある。 三原は、西鉄、大洋、近鉄、ヤクルトと渡り歩き、最後は日本ハムの球団社長にまで、上り詰める。彼は、宣伝道具としてのプロ野球ではなく、ビジネスとしてのプロ野球すなわちプレーの意外性で客をワクワクさせるゲームで観客を呼べるプロ野球を志向していた。しかし、あの巨人ゴリ押しの江川事件の時でさえも意見を述べるにとどまり、球界浄化には限界があった。野球人らしくない常に冷静で計算できて、見通しのきく三原だからこその反骨の筋を通す生き方がそこにはあった。
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