ワーグナーのヒトラー 「ユダヤ」にとり憑かれた預言者と執行者

ヨアヒムケーラー(著者), 橘正樹(訳者)

• 販売会社／発売会社: 三交社
• 発売年月日: 1999/11/15
• JAN: 9784879191410
• 関連ワード: ヨアヒムケーラー / 橘正樹 / 歴史・地理

商品レビュー

2018/03/09

徹底した、ヒトラーのワーグナーへの傾倒と、ワーグナー世界の実現を目指した行動が明らかになっている。ワーグナーファンは必見でこれを読んで考えるべきだろう。個人的には、ナチスやヒトラー、それらによる第二次世界大戦におけるホロコーストを知って以来20年以上、どうしてもしっくりこなかったあれだけの首尾一貫したヒトラーのユダヤ人憎悪の強固さの謎に対して、本書終盤の記述である「ヒトラーが愛したワーグナーが反ユダヤ主義者であったので、ヒトラーもまた反ユダヤ主義者にならなければならなかった」という記述が、その答えとして今一番しっくりきているのてす。

2015/03/06

ワーグナーの望みの執行者がヒトラーだった。
ワーグナーこそ最もドイツ的な人物だった。
ヒトラーの最期も絶望と孤独だった。
ユダヤ人の魂は黒く、それは本物のペストよりもたちの悪いものだった。
妖怪というユダヤ人のイメージはワーグナーの憎しみに満ちた恐ろしい空想に由来していた。
ワーグナーは創造的なドイツ人と対立する世界を際立ったエゴイズムの領域として描いた。
ユダヤ人はドイツ人でない。
厳密に言えば、そもそもドイツ人は何も知る必要がなかった。