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雑居家族 毎日メモリアル図書館
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 毎日新聞社/ |
発売年月日 | 1999/10/10 |
JAN | 9784620510446 |
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雑居家族
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雑居家族
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氏も生物学的な親も年齢も事情も違う家族のお話。 六人住まいの「あるじ」六人と、近づいてきては面倒をかける人。 「雑居」っていい言葉だなあ。息苦しくなくて、あったかい。 1950年代半ばくらいが舞台ということもあって、「家と庭と犬と猫」http://booklog.jp/users...
氏も生物学的な親も年齢も事情も違う家族のお話。 六人住まいの「あるじ」六人と、近づいてきては面倒をかける人。 「雑居」っていい言葉だなあ。息苦しくなくて、あったかい。 1950年代半ばくらいが舞台ということもあって、「家と庭と犬と猫」http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4309021883を連想しながら読んだ。 登場人物はみんな完璧じゃない。 きっぱり断われよ!とか、礼儀をわきまえなさい!とか、こいつどうしようもねえ!とかいろいろつっこみたい。 思い描く自分と実際の自分には距離があって、口でいうほどはちゃんとできなくて、言いやすい相手の前でだけ小さく愚痴る。 そんなダメさがいとおしい。 とくに兵六さんのダメ男っぷりときたらもういるよねこういう人。 だから兵六さんががんばれるなら、私もがんばれる気がする。 ダメさもしょうもなさも全部包摂した世界はやさしい。 安江と文吉夫婦もその子供たちも貧乏くじをひきっぱなしで損をするけれど、その損が不幸にはなっていない。 ダメだから面倒だから不愉快だから害だから排除しよう、という発想じゃない。 文章が穏やかな美しさで読むのが気持ち良かった。 これはいい表現だなと思う描写で、これまたすてきな感覚がつづられる。 「腹が立ったときと、うれしいときとに花を買う」とか、 子供の「ヒミツカ」(隠れ処)をそしらぬふりで見守るとか、 「内じゃあ詐欺費がずいぶんかさむわね。」とか。 派手な感動じゃなくて、なんかいいなってしみじみと思うところがたくさんあった。 最初はいらついた登場人物も読み終える頃には好きになる。 本の外の、人も好きになれそうな気がする。 この本を読めて幸せ。
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