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科学・技術と社会 文・理を越える新しい科学・技術論 ICU選書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 光村教育図書/ |
発売年月日 | 1999/01/29 |
JAN | 9784895725088 |
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科学・技術と社会
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言い換えますと、科学研究は、好奇心を共有するわずかな数の「同僚」によって構成される。きわめて閉鎖的で閉ざされたサークルの生みだす空間のなかで成り立っている知的活動であることになりましょう。そこで生産された知識は、そのサークルを「科学者共同体」と呼びますが、その空間のなかだけで流通...
言い換えますと、科学研究は、好奇心を共有するわずかな数の「同僚」によって構成される。きわめて閉鎖的で閉ざされたサークルの生みだす空間のなかで成り立っている知的活動であることになりましょう。そこで生産された知識は、そのサークルを「科学者共同体」と呼びますが、その空間のなかだけで流通し、評価され、あるいは評価されず、また評価された成果は、そのサークルの知的財産として蓄積される、ということになります。(p.22) 行政でも、そうした技術による国策、あの「富国強兵・殖産興業」の目標の遂行に、前線で活躍したのは、やはり大学出の技術者でした。こうした場面で、日本では、ヨーロッパ諸国では一般的だった技術や高額に対する蔑視や偏見は、ほとんど見ることができませんでした。(p.71) 研究・開発に携わる人間は、達成すべき使命を達成するという責任を負うと同時に、その使命を達成したときに社会のなかでどのような影響があるか、それらの影響に関して、どれだけ責任を道義的に研究者が負わなければならないかを、一般社会の一員として、十分考慮しなければならないのです。(p.175) 問題は、いったんある特定の技術方式が国際的に規格として標準化されると、より優れた技術方式の開発へのインセンティブが薄れたり、あるいは、そうしたものが開発されてもなかなか採用されずに、結局は社会全体の利益が損なわれる、ということがまま起こる、という点です。(p.219) 今もし何も手を打たず、そして将来、予測されている事態のうちで最も良くない結果が生まれたら、そのとき私たちは未来の子孫に対して、大きな責任(それも償うことのできない)を負うことになる。こうした原理が、環境問題への私たちの取組を支えているのです。このように世代を超えた倫理的な責任を問題にすることを「世代間倫理」と呼ぶことがあります。(p.221) この学問は、一方で、高度な研究を目指しながら、もう一方で常に自らの研究が、何に向かってなされているのか、自らの研究と社会との関わりは何なのかを、問い続け、あるいは、そのこと自体を、自らの研究のなかに体現していかなければならない、という一種の自己矛盾を抱えた領域であるのです。研究自体が開かれていると同時に、「自己言及的」でなければならないのです。(p.233)
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10年近く前に書かれた本だが、現在でも同じようなことが問題視されているような気がする。 科学・技術とは何か?ということについて、歴史や現状、これからのことについて語っている。
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ああ村上陽一郎先生のファンになりました。これを読まないまま私は4年間も理系の大学生だって偉そうな顔をしていたのか、とても恥ずかしいです。講義調なので読み進めやすい。科学者の不文律や国際間の研究者集めの現状など、知りたかったことがまとまって書いてあって勉強になりました。
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