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シカの食害から日光の森を守れるか 野生動物との共生を考える
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シカの食害から日光の森を守れるか 野生動物との共生を考える

辻岡幹夫(著者)

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シカの食害から日光の森を守れるか 野生動物との共生を考える

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 随想舎/
発売年月日 1999/02/20
JAN 9784887480223

シカの食害から日光の森を守れるか

¥220

商品レビュー

3.5

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2015/10/20

著者は栃木県の職員。シカの生態と食害の実態、駆除をめぐる議論や対策の苦労話などが描かれている。 シカは寒さには強いが、積雪に弱く積雪の多い地域には分布していない。主食は草で、木の葉はあまり食べない。冬季はミヤコザサを主食とする。 シカはオス、メスを含む大きな集団で生息するため...

著者は栃木県の職員。シカの生態と食害の実態、駆除をめぐる議論や対策の苦労話などが描かれている。 シカは寒さには強いが、積雪に弱く積雪の多い地域には分布していない。主食は草で、木の葉はあまり食べない。冬季はミヤコザサを主食とする。 シカはオス、メスを含む大きな集団で生息するため、餌となる植物がある限り際限なく数が増える。捕食者が失われた状態で数が増え続けると、食物が失われてシカの数も激減する。 シカの脚は細くて長いため、地形が平らな所に生息しており、険しい山岳地帯には適していない。江戸時代までは、シカは平野部に生息していたが、明治になって銃器が普及すると乱獲されて山岳地帯を生息地にするようになった。 男体山を含む表日光、戦場ヶ原、小田代原、中禅寺湖南岸などの積雪が少ないところにはミヤコザサ、湯元温泉から白根山、千手が原にかけての積雪が多い地域にはチマキザサやチシマザサ、中禅寺湖北岸や高山などの急斜面にはスズタケが分布している。千手が原のチマキザサ、中禅寺湖沿岸のスズタケが食害によって枯れた。 奥日光のシカは湯川を境にして、西側は足尾に、東側は表日光に移動して越冬する。表日光はミヤコザサに覆われているため、シカの栄養状態は良い。足尾地区では生息密度が高く、冬は樹皮や枯れ葉ばかりを食べているため栄養状態が悪い。奥日光と足尾の境にある山の南斜面にはミヤコザサが覆っている。 ハンターの数は減少しているが、捕獲数は増加し続けている。捕獲数の増加よりもシカの増加数の方が上回っている可能性があると推測されている。

Posted by ブクログ

2011/04/14

大変面白かった。現役の自治体職員としてシカの食害対策にあたっている方の著作だけあって、非常にリアルで率直な問題としてみることができた。 現在日本各地で問題となっているシカの食害であるが、この問題をはじめとした生態系レベルの環境問題は、対策が非常に難しい。予算的という観点ももちろん...

大変面白かった。現役の自治体職員としてシカの食害対策にあたっている方の著作だけあって、非常にリアルで率直な問題としてみることができた。 現在日本各地で問題となっているシカの食害であるが、この問題をはじめとした生態系レベルの環境問題は、対策が非常に難しい。予算的という観点ももちろんあるが、あまりにも複雑に絡み合った構造をした生態系に手を加えることは、直接的、あるいは間接的に生態系を改変してしまう恐れがあるためだ。そのため自然環境保護にも、慎重な姿勢が求められる。 この本では、そういった環境問題の背景と扱う難しさ、現在着手している対策と今後の展望について述べている。シカの個体数調整という、一部の自然保護団体からは文句のひとつでも飛んできそうな内容だが、問題を取り扱うにあたって必要なことであること、そしてシカたちの集団維持のためにも重要であることを丁寧に述べている。なぜ個体数調整が必要なのか。増えたから減らすという簡単な問題ではないということを、学ぶいい機会にいただけた一冊。

Posted by ブクログ

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