人間対機械 チェス世界チャンピオンとスーパーコンピューターの闘いの記録

ミハイルコダルコフスキー(著者), レオニドシャンコヴィチ(著者), 高橋啓(訳者)

• 販売会社／発売会社: 毎日コミュニケーションズ/
• 発売年月日: 1998/05/01
• JAN: 9784839900267

商品レビュー

2012/12/11

1995年、当時の世界チャンピオン・KasparovとIBMのスパコン・Deep Blueが戦った。そのマッチの裏側を語る本。1995といえば、PCA（プロチェス協会）が設立され、当時の状況を設立の張本人・Kasparovが語るところから始まり、IBMとのマッチに至るまで、そしてマッチの裏側を詳細に語る。
多くの読者はIBMの再戦、あのKasparovが6手で崩壊確定した最終局の裏側が気になるところだろう。しかし、私がこの本で一番好きなのは、当時の世界チャンピオンVS現世界チャンピオン（2012年12月時点）の、"人間対人間"のマッチとその裏側である。この本を読んで（とは言っても初読は図書館から借りてだが）Sicilian Scheveningenを指すようになった私の、最も好きな本である。

2008/08/18

部分的なコピーしか持ってないけど、俺がチェスの本として初めて読んだ本。

「世界チャンピオンがコンピューターに負けた」
そのフレーズが出てきてもう10年以上が経つ。
しかし、コンピューターに負けたことがそれ自体に意味があるのだろうか。

この本の見どころは3つのマッチ（vs Anand、vs Deep Blue、vs ”Deeper” Blue）の棋譜と裏話である。
どの試合も解説の質は高く、並べていてとても勉強になる。
また、マッチをした世界チャンピオン・Garry Kasparovとそのチームの側から見たマッチの裏側は、俺をチェスに引き込むのに充分であった。
それはコンピューターが（表面的には）勝ったからでも、コンピューター側が情報を不十分にKasparovへ与えていなかったからという点でもない。
試合のレベルの高さに魅せられたのだ。
強いのはコンピューターか人間か、そこに意味はない。
重要なのは試合のレベルの高さである。

当時と比べ、またチェスとコンピューターは進化している。
この本が出て10年、いまや世界チャンピオンが統一され、トップレベルに10代が多くいて、Kasparovも引退している。
また”The New Era”を迎えている。

ちなみに、チェスを知らなくともただの読み物としても楽しめる。
それはマッチの裏側を通してチェスに興味を持つには充分であると確信している。

2008/06/15

主に1995 Kasparov-Anand、1995 Kasparov-Deep Blue、1996 Kasparov-Deep Blueを扱う和書。
解説も当時の研究中では詳しく、マッチの背景もあるのがうれしい。
単に読み物としても面白い。
マッチ前後のKasparov-Anandの試合が結構載ってるのもいい。
欠点は絶版であること。
niy