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敵 純文学書き下ろし特別作品
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 1998/01/30 |
JAN | 9784106006623 |
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敵
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商品レビュー
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当時60歳の筒井康隆は現在90でご健在。創作もつい最近まで続けて、審査員なんかも続けていた。本作の主人公のような預金通帳の残高を気にすることもないだろう。当時の筒井御大は何を考えてこれを書き、いまはどう思っているのだろうか。 老人一人称小説として、生活と孤独と老いを描く。その構成...
当時60歳の筒井康隆は現在90でご健在。創作もつい最近まで続けて、審査員なんかも続けていた。本作の主人公のような預金通帳の残高を気にすることもないだろう。当時の筒井御大は何を考えてこれを書き、いまはどう思っているのだろうか。 老人一人称小説として、生活と孤独と老いを描く。その構成の見事さとオチの寂寥感にすっと体が冷えていく。 この本が書かれたころより孤独は社会に拡がり、老人へのフォローをより一層手放す社会ができつつある。孤独に倦む時間もなく老人は社会に殺されていく時代には成立しえないあの時代の小説だ。 主人公の状況を認知症と考えることはできるし、そう解釈する人も多いが、人は老いて孤独に至り振り返る過去に孤独ではない時間があればこういう状況にはなるので、必ずしもボケとは言えないのではないか。孤独は、それだけで人の視線を過去に向け、老境で社会も国家も早く死んでくれないかなと老人を思うようになれば過去だけを見つめ、自分の脳内で言語だけを共に歩むしかない。奮い立つための”敵”はそうそういないが、孤独の中では敵でも見つけないと歩むのは難しい。
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バーコードの無いハードカバーの図書はブクログ検索に引っかからない。暫定的に新潮文庫版を登録していたが、裏技を用いてハードカバーの書影を拾う。(装幀 新潮社装幀室) 読点を排し、擬声語・擬態語を当て字にした独特の文体で独居老人の常住坐臥・日常茶飯事がトリヴィアルに描かれる。 75歳には間があるとはいえ、預貯金が尽きたところで自裁するという決断は身につまされる。一つの尊厳死。 「アルジャーノンに花束を」のように、老耄が進行するにつれ、文体が壊れてゆくものと予想していたら、さに非ず。現実と妄想の境が不分明になってゆくのだった。
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執筆時63歳の著者よりやや上の75歳という設定の元大学教授の「死の受容」をテーマとした小説。戯曲研究を専門。ドタバタは夢想の中でだけ。低金利が高齢者の生活を直撃していることは知っているが、いじましい(若年の生活はもっと苦しい)。主人公には子も無い。妻に先立たれて「早くこっちにおい...
執筆時63歳の著者よりやや上の75歳という設定の元大学教授の「死の受容」をテーマとした小説。戯曲研究を専門。ドタバタは夢想の中でだけ。低金利が高齢者の生活を直撃していることは知っているが、いじましい(若年の生活はもっと苦しい)。主人公には子も無い。妻に先立たれて「早くこっちにおいでなさい」と夢の中で言われたりする。もっと子供な部分があっていいように思うのだが、では枯木か
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