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アイルランドからアメリカへ 700万アイルランド人移民の物語
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アイルランドからアメリカへ 700万アイルランド人移民の物語

カービーミラー(著者), ポールワグナー(著者), 茂木健(訳者)

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アイルランドからアメリカへ 700万アイルランド人移民の物語

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東京創元社
発売年月日 1998/11/30
JAN 9784488013837

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アイルランドからアメリカへ

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2022/07/08

18世紀から20世紀にかけて、実に700万人もの人々が、アイルランドから大西洋を渡り、アメリカを目指した。彼らはその地に根付き、本書刊行時点ではアメリカ人全体のうち、約4000万人が直接または間接的にアイルランド人を祖先に持つという。 そんなアイルランド移民の歴史をざっくり追った...

18世紀から20世紀にかけて、実に700万人もの人々が、アイルランドから大西洋を渡り、アメリカを目指した。彼らはその地に根付き、本書刊行時点ではアメリカ人全体のうち、約4000万人が直接または間接的にアイルランド人を祖先に持つという。 そんなアイルランド移民の歴史をざっくり追った1冊。 元はドキュメンタリー番組でわかりやすい作りである。 参考にした一次資料はアイルランド移民と祖国に残った人々の間で交わされた書簡、また移民たちの回想録である。 かくも多くの人々が海を越えたのには、理由があった。 彼らの多くは「アメリカに行かねばならない」「アメリカに行くことが必要だ」" Dob eigean dom imeacht go Meirice "と語ってきた。 アイルランドを離れる行為はゲール語で「ドゥオーリ(deorai)」というが、これは「移民」というより「追放」を指す。 行く必要はあったけれども、個人的な野心などで自発的に目指したのではなく、「行かざるを得なかった」ということである。 長きに渡り、イングランドやスコットランド出身の地主に虐げられてきたアイルランドの人々(特にカトリック教徒)は、貧農やレイバラー(手伝い人夫)の立場に追いやられてきた。ジャガイモやわずかな家畜でかつかつの暮らしだったが、伝統音楽や詩、歌を生活の潤いとして、古来の風習や信仰を維持してきた。 だが、ナポレオン戦争後の大不況にジャガイモの不作が追い打ちをかけ、借地料を払えなくなった人々は強制退去させられた。 先に北米に渡っていた親戚などから渡航切符を手に入れ、海を渡るものが現れた。1850年前後の10年間でアイルランド人口の実に30パーセント近くが故国を離れたという。 故郷を離れても苦難は続く。まずイギリス・リバプールに渡ってアメリカ行きの船を待つが、そもそもそのスラムから出られなくなるものがいる。運よく船に乗れても作りの粗末な船(「棺桶船」)は沈没することも多々。目的地に着いたとて、最下層の仕事から始めなければならないのである。しかしここでも差別や迫害は続き、求人広告に「アイリッシュの応募、お断り」とわざわざ入れる雇用者もいた。 貧しく手に職のないアイルランド系移民たちは、工場労働者、炭鉱夫、港湾労働者、土木作業員、召使、コックなどとして働いた。南北戦争の兵役についたものも多い。 苦難の中、彼らは詩を作り、歌を歌った。 フィドルを弾き、輪になって踊った、故郷の貧しいながらも温かかった夕べの憩いを思い出す者も少なくなかった。 「アメリカの街路は黄金で舗装されている」と夢見た彼らは現実を悲しんだ。 郷愁を抱えつつ、彼らは「人並みの暮らし」を求めて、全米各地へと広がっていった。 そうして彼らは徐々に新天地に根を張っていった。 他の地域からの移民の中には、故国に帰っていくものも多かったが、アイルランド系では帰国したものは少ない。故郷の経済状態は依然として改善せず、帰るべき場所を見出しえなかったのだという。 アイルランド移民の歴史から、現代アメリカに続く歴史の一局面も垣間見える1冊。

Posted by ブクログ

2014/01/03

1年ぶりの再読。700万ものアイルランド人が故郷を捨ててアメリカへ渡り、帰った人々は10%を切るという。 同じアイルランド移民でも、時代によって事情や宗教、民族も違い、アメリカで受けた待遇も異なる。十把一絡げに考えるととんでもない誤解をしてしまうこともあって、調べれば調べるほど難...

1年ぶりの再読。700万ものアイルランド人が故郷を捨ててアメリカへ渡り、帰った人々は10%を切るという。 同じアイルランド移民でも、時代によって事情や宗教、民族も違い、アメリカで受けた待遇も異なる。十把一絡げに考えるととんでもない誤解をしてしまうこともあって、調べれば調べるほど難しい。 この本は主に19世紀、ブリテンの弾圧や大飢饉から逃れてアメリカに渡ったカトリックの人々について詳しく触れている。彼らが当初、アメリカで底辺の暮らしを強いられたこと、そこから少しずつ力を持っていったその過程を、彼らの手紙を紹介することを通じて記した一冊。 訳者自身「大幅にはしょってある箇所もある入門書」と書いてある通り、この一冊では語り尽くせない歴史が沢山あるが、ただ史実を並べてあるよりは、人間味があって伝わりやすく、付随する史実も理解しやすい。 直接、音楽についての記述はないけれど、楽器やメロディといった文化も戦争や侵略をきっかけに強制的にミックスされてきたんだろうと思うと複雑な気持ちになる。 それにしても、いつの時代もどこの地域でも、世の中の仕組みや権力者が考えることはよく似ているもののようだ。

Posted by ブクログ

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