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闇の中の系図
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闇の中の系図
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下町のプラスチック工場に努める浅辺宏一は、父との工場を立ち上げるために技術を学んでいた。というのは表だけの話で、実はそのような計画はまったくなかった。退職後、工場から盗んできた部品を元に、ある計画を立てる…。 電子書籍で『嘘部シリーズ』と表する、嘘をネタに大きなことを成し遂げる...
下町のプラスチック工場に努める浅辺宏一は、父との工場を立ち上げるために技術を学んでいた。というのは表だけの話で、実はそのような計画はまったくなかった。退職後、工場から盗んできた部品を元に、ある計画を立てる…。 電子書籍で『嘘部シリーズ』と表する、嘘をネタに大きなことを成し遂げるという話である。以前に読んだものでは、そのシリーズ名がネタバレになるものが有ったが、本作においては問題ないであろう。とはいえ、本題に入る前に結構普通のドラマが有り、読者にもわかっているとはいえ、なかなか始まらない。 始まったかと思えば、また天皇を中心とした、麻織部の話が後述がなかなかのくどさ。まあ、そこが半村良の真骨頂ではあるが。その中で「覚えておかなくても良いけれども」って本当に言っちゃうんだな。 その語りの部分を除けば、半村良の本質である、歴史や古典からの話はほとんど無いのは本作の特徴。あとはSF部分もなく、人間ドラマ的な話が続く。 そのへんの話は、スケールは大きいものの、正直あんまりパッとしないのも事実。話自体はドラマチックなものの、効果が明らかになる前に終わってしまうため、すこし尻切れトンボに感じる。 全体に話は悪くはないものの、物足りないなあと思ってしまったのも事実。容子がもう少し活躍してほしかったなあ。何なら子供が生まれても良かったのではないか。 なんとなく、その後の話もありそう。だから『嘘部シリーズ』なのかな。
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