問題少女 生と死のボーダーラインで揺れた

長田美穂(著者)

• 販売会社／発売会社: PHP研究所/
• 発売年月日: 2006/03/31
• JAN: 9784569649511

商品レビュー

2017/11/02

まず、レイカが繊細で感じやすい子なのであれば、この「問題少女」というネーミングは、やや痛くないかい？と思ってしまう。生前に見せたらしいけれど。

レイカは、自分のことも他人のことも受け入れたいのに受け入れられなかったのだな、と感じた。
迷いに迷って、混乱を極めているけれど、全面的な愛情が欲しかったのだろう、と感じる。
でも、彼女が望むようなパーフェクトなものなんて、なかなか存在しない。

この本を読む限り、私には、彼女はちゃんと育っていないように見えた。
辛いことを排除し、やりたいようにやらせるということが、愛情を注ぐことではない。
お手伝いをさせたり、不審な様子なら問い詰めたり、叱ったり、怒りをぶつけたり、ぶつけられたり。
そういったやりとりが、見えてこない。
この本を読む限りでは。
なんだ、このふわふわとした空気は？？
腫れ物に触るかのような空気。
なにか、太い柱が欠落している。
そんな印象を受けた。

働くということには、生きていく力がわいてくるという側面があると思う。
だから、コンビニバイトには意味があるのだと思う。
バイトだけではなく、家事だってそうだ。
体を動かして働くことは、自分のためになるのだと思う。

最後に、空手を始めた男の人の話が少しあったけれど、あれはリアルだと思った。
原始的なようだけれど、体を鍛えて人とやりあうことって、ものすごく効果がある。
心と体はつながっているのだから。

なんか、しんどい本だった。

2009/10/25

この本は境界線人格障害と診断されたレイカ（仮名）という少女の、生前を記録した内容です。
きっとこういった少女の話は、近年漫画やドラマなどで多く取り上げられ、皆聞き慣れた内容に映るでしょう。しかし、確実にどこかでこのような「問題少女」達は現実に存在しているのだと思います。リストカット、薬物依存、摂食障害……、架空の世界の言葉にように思えるこれらは、実はとても身近な場所にあるのです。

2007/02/03

2007.02.　調子が落ち気味の時に読んで失敗だった。この「問題少女」というタイトル−その呼び方−が引っかかって借りてみたんだけど、普通のルポ＋その後。その後ということは、問題少女は自死を選んでしまったということで、それがわかりつつあったのに読んでしまってショック。しかも、後半は著者「悪者探し」という自己満足で固められているように思えて嫌な気持ちになった。本人は懸命だったんだろうけれど。