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図説 江戸の学び ふくろうの本
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図説 江戸の学び ふくろうの本

市川寛明(著者), 石山秀和(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社/
発売年月日 2006/02/23
JAN 9784309760742

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2006/05/25

江戸時代には、寺子屋と呼ばれる学校が広く普及し、庶民の読み書き能力は世界最高水準だった。しかし、その実態はあまり知られていない。たとえば寺子屋では、現在の学校のような一斉授業ではなく、師匠が子どもをひとりずつ指導するマンツーマン教育が行われていたらしい。そう、すなわち、寺子屋は現...

江戸時代には、寺子屋と呼ばれる学校が広く普及し、庶民の読み書き能力は世界最高水準だった。しかし、その実態はあまり知られていない。たとえば寺子屋では、現在の学校のような一斉授業ではなく、師匠が子どもをひとりずつ指導するマンツーマン教育が行われていたらしい。そう、すなわち、寺子屋は現代で言うところの自習室スタイルの個別指導塾だったのだ。 寺子屋の教科書や絵画、文具などの豊富な図版が江戸の教育事情を物語る。やんちゃ坊主文吉に耐える江戸の先生の日記には強烈なシンパシーを覚える。 抜粋してみよう。 ------------------------------------------ 【門人文吉の不行跡(抄訳)】 三月十八日  小刀を持って庭裏あたりに植え置きし  木を切り歩き、これを取り留め候えば、  悪口を吐き、或は朋友の持ち物を切り、  机の下に昼寝致し、机を重ね上に座り、  少しも従わず、甚だ以て困り入り候 三月二十日  良助を水取桶に突転し、  双紙に男根などを書き乱し 四月三日  この日も一字習わず読まず、  ただ机・文庫の上駆け歩き、  稽古場中を騒がし、  とめれば悪口を吐く 四月二十日  我机前に来り、尻をまくり、  寝て居り大の字になり、実に類なし、  師匠とも何とも思わず、唯ふざけ次第、  実に難渋至極、これ師匠の不運也 四月二十七日  稽古所にてちんぼを出し、子供に見物をさせ、  これを止むどれども少しも聞き入れず、  実にこの様子の子供百人に壱人もなし 五月二日  千人に壱人もなし ------------------------------------------ ああ、ああ、もう言葉を失ってしまう。 そして、読後は「ああ、明日もがんばろう、まだまだできることはたくさんあるんだから。」と勇気が沸いてくるのだ。 日本の教育の未来を憂うなら、その前に、江戸の寺子屋文化を学ぼう。そう感じた1冊だ。

Posted by ブクログ

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