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対話する生と死 ユング心理学の視点 だいわ文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 大和書房/ |
発売年月日 | 2006/02/07 |
JAN | 9784479300021 |
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対話する生と死
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商品レビュー
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5件のお客様レビュー
日本神話・古事記から「中空構造」を紐解き、その中空構造を、日本の歴史と天皇の立ち回りから日本社会自体に照らし合わし、そして日本人の自我のあり方の性質を「中空均衡型」であると分析した論が面白かった。 神話と歴史を知り、活かし、発展させることを学んだ。 -中空均衡型は、その長所とし...
日本神話・古事記から「中空構造」を紐解き、その中空構造を、日本の歴史と天皇の立ち回りから日本社会自体に照らし合わし、そして日本人の自我のあり方の性質を「中空均衡型」であると分析した論が面白かった。 神話と歴史を知り、活かし、発展させることを学んだ。 -中空均衡型は、その長所として対立するものの共存を許すところがある 板ばさみになる事をよしとして、それをあるがまま受け入れるができると言い換えられるかな。確かに、日本人の自我は女性像っぽいかも。著書「昔話と日本人の心」も読みたい。 自立せずに生きていくことで家族がうまくやっていけるなら別に自立しなくてもいい、その人のあり方が必要とする方向へ行くべき、という考え方には目から鱗。そんなつもりはなくても、すっかり世間の自立志向に流されかけていた。 コスモロジー、華厳思想、共時、シンクロニシティ。勉強になった。
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著者のエッセイを収録しています。 臨床心理学では、「治す」ことと「治る」ことのバランスがたいせつだという議論が、とくに興味深く感じました。基本的には患者がみずから「治る」自己治癒が中心になるべきですが、患者の自己治癒力を促進するためには、患者が自分を表現する場所を提供したり解釈...
著者のエッセイを収録しています。 臨床心理学では、「治す」ことと「治る」ことのバランスがたいせつだという議論が、とくに興味深く感じました。基本的には患者がみずから「治る」自己治癒が中心になるべきですが、患者の自己治癒力を促進するためには、患者が自分を表現する場所を提供したり解釈を与えたり、ときには方向を指示したりする治療者が必要だと著者はいいます。そしてこの方面に焦点を当てると、治療者が「治す」仕事をしているように見えてくることになります。このように述べたうえで著者は、欧米では治療者が「治す」視点が前面に出て、性急に患者を理解したり患者の表現を言語化しようとするのに対して、著者たちが取り組んでいる箱庭療法では、患者自身の「治る」ことを重視し、患者の「自己治癒の過程を全体として見て、その流れを把握する」ことが根本的な治療につながるのではないかと論じています。 このほか、超心理学的なユングの「共時性」について述べられていることもおもしろく感じました。ユングは通常の因果律を否定して、たとえば「家が焼けてしまえと思ったので、家が焼けた」といったような、呪術的な「偽の因果律」を主張したのではないと著者はいいます。ユングが主張したのは、「部分的な心的水準の低下」が起こり、外界についての知覚が弱くなってるとき、時間・空間の制約がなくなり、超心理学的な知覚が生じるということであり、それをたいせつにすることを勧めているのであって、それを呪術的因果律のようにとらえてはならないと著者は注意をうながしています。 呪術的因果律にしたがって患者を「治す」と考えるのであればオカルトになってしまうのですが、心的水準の低下したときに起こる現象も含めて、トータルな人間の心のあり方をとらえることがたいせつだというのが、著者の立場だと理解しました。つまり、共時的な現象を単なる偶然として切り捨ててしまうのではなく、そうしたことも含めて患者自身が「治る」ことに向かっていく心の流れをトータルに把握することが、治療者のあるべき態度だということなのでしょう。
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この本は、ひとつの書物としての強度という点で見ればかなり粗雑で脆弱な品であるだろう。しかし、僕はしばしばそういうどうしようもない弱さを諦め切ったいい加減な書物に魅力を感じることがある。 おそらくいろいろな雑誌に載せられた記事が寄せ集められて出来たようなこの本の内容は、かなりいろい...
この本は、ひとつの書物としての強度という点で見ればかなり粗雑で脆弱な品であるだろう。しかし、僕はしばしばそういうどうしようもない弱さを諦め切ったいい加減な書物に魅力を感じることがある。 おそらくいろいろな雑誌に載せられた記事が寄せ集められて出来たようなこの本の内容は、かなりいろいろな部分で重複しているし、そういうところをいちいち指摘していたら読めたものではない。こちらもいい加減に付き合うことが上手く読むコツであろう。 内容に関しては、河合隼雄先生のいろいろな興味の視線が面白く、且つ時代を感じる。冒頭に武満徹の音楽から始まって、後ろの方ではジョイス・ヘッセ・ユングの関係について臨床心理学と芸術家の関係として考察していたりして非常に興味深い。ただ一稿一稿が短く、いいところであっけなく終わってしまうことが残念である。そこから深みへ行かないのである。
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