人は死んだらオシマイよ。 PHP文庫

山田風太郎(著者)

• 販売会社／発売会社: PHP研究所/
• 発売年月日: 2006/02/17
• JAN: 9784569665863

商品レビュー

2011/10/15

著者の作品の中から、テーマに沿う名言・内容を部分的に抜き出したものなので、それぞれの作品を読んでいないと、少しもったいない気がします。

2009/10/14

敗戦直後、私の心を最も打ちのめしたのは戦争そのもに敗れた衝撃より、文化、モラルの天でも破れたという痛恨であった。
国家には何の期待もしない代わりにもう何の義務も果たしたくない。
人間って一生勉強したり働いたり、要するにいい人になろう、幸福になろうということが目的なのに、だんだん汚らしくなって、そしておしまいで苦しんで死ぬなんて、なんだかあわないね。
もともと、おれの人生はまともじゃないんだ、と自分でも認めざるをえない。それでも若い頃には夢があった。
人生とは一言で言うなら偶然だな。大体人類が発生したのが偶然らしいんだがね。
どんな平凡な人生でも、長いあいだにはいくつかの運命的な事件を持つものだ。そしてその事件が必然というより偶然であることが少なくない。
私は神様の存在を信じないが、もしあるとすれば、宇宙は神の冗談によって作られたと考えざるを得ない。