異国の父母 中国残留孤児を育てた養父母の群像

浅野慎一(著者), とう岩(著者)

• 販売会社／発売会社: 岩波書店
• 発売年月日: 2006/01/27
• JAN: 9784000221535

商品レビュー

2015/03/14

満蒙開拓団の博物館にも行ったから
同じ事を逆から見る感じ。
養父母は聖人じゃなく、ただ普通な人。
貧しい中育て上げた孤児たちが
日本に帰っても貧しく、
中国の養父母に会いに来ることもできない。

2012/08/15

中国残留孤児を育てた養親たちに着目した本。
親たちへの聴き取り調査の記録がメインで解説も少々。
解説はインタビュー部分を見ればわかることばかりだから蛇足かな。

残留孤児だと判明していてこの時点で存命で連絡を取ることができて調査に応じてくれた人たち。
そんなごく一部の経験ではあるけれど、個々の経験から見えてくるものもある。
養親たちは慈悲深い聖人ではなく普通の人たちだ。
「日本人」ではなく「放って置いたら死ぬ子供」を放っておけないという普通の感覚を持ち続けたのがすごいこと。

「孤児」でさえ高齢者だから、養親は2006年出版のこの本の中ですら話を聞ける人が少ない。
生き延びられなかった親子や自然死するまで気づかせない親や名乗らない子供や、ここに描かれていないパターンの人たちもきっとたくさんいるはずだけど、もうわからない。
知ることさえどんどん間に合わなくなっていく。

「越境とアイデンティフィケーション」http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4788512750