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現代ウクライナ短編集 群像社ライブラリー
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 群像社 |
発売年月日 | 2005/11/15 |
JAN | 9784905821663 |
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商品レビュー
4.3
4件のお客様レビュー
P4UのFBグループで本書を紹介してくださった人 小林光子さん https://www.facebook.com/groups/snip4u/posts/731626684686047/ 小田 考一さん https://www.facebook.com/groups/snip4...
P4UのFBグループで本書を紹介してくださった人 小林光子さん https://www.facebook.com/groups/snip4u/posts/731626684686047/ 小田 考一さん https://www.facebook.com/groups/snip4u/posts/733614077820641/
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靄がかかった幻想的で不思議な内容。 戦争や大虐殺、飢餓の歴史のあるウクライナ。 暗いんだけれど、読者に想像させる落ちなどがしっかりあり、悪夢と現実の狭間でウトウトしている感じ。 ウクライナ侵攻により手に取り、解説には詳しいウクライナの歴史が書かれていて、個人的にあまり目立つ国では...
靄がかかった幻想的で不思議な内容。 戦争や大虐殺、飢餓の歴史のあるウクライナ。 暗いんだけれど、読者に想像させる落ちなどがしっかりあり、悪夢と現実の狭間でウトウトしている感じ。 ウクライナ侵攻により手に取り、解説には詳しいウクライナの歴史が書かれていて、個人的にあまり目立つ国では無いにしろ暗い歴史が多くその分作品自体も暗くなるのかなあなどと考えてる。 結構、貴重な1冊でもあるかもしれない。
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ウクライナとロシアとの関係を題材にした小説を探していたが、出だしから惚れた腫れたの話が多くて、やや失望を感じていたところ、ようやく骨のある作品に出会えた。 ホロドモール(※1)を描いたカテリーナ・モートリチ「天空の神秘の彼方に」だ。 そうだ、『悲しみの収穫―ウクライナ大飢饉』の感...
ウクライナとロシアとの関係を題材にした小説を探していたが、出だしから惚れた腫れたの話が多くて、やや失望を感じていたところ、ようやく骨のある作品に出会えた。 ホロドモール(※1)を描いたカテリーナ・モートリチ「天空の神秘の彼方に」だ。 そうだ、『悲しみの収穫―ウクライナ大飢饉』の感想を書いたときに、「本が好き!」の hacker さんがコメントで教えてくれたのは、この作品だったのだ。 ウクライナの人々は、このジェノサイドを決して忘れないだろう。 万一、今後ロシアに併合されるような事態に陥ったとしても、必ずや再び分離独立を成し遂げるに違いない。 この作品を、「#短編を10作品選んで史上最高の短編集を作れ」の一篇として挙げたい。/ 「天空の神秘の彼方に」: 死を目前にした農婦ソロミーヤの魂がさまよう。 【つぎに、ソロミーヤはもっと低いところまで降りてきた。そうして、たくさんの通りや果樹園や家の中や庭におびただしい死人が横たわってうつろな眼で虚空を見上げているのを見つけた。 こんなふうに、瞬時に地上の命が消えてしまったのだ。ソロミーヤには家族全員が見えた。冬から春にかけて死んでしまった者たちすべての姿が見えた。ほら、祖父も祖母も父も母も彼女にむかって微笑みかけている。ほら、子どもたちが彼女めがけて走ってきた。】/ 【フェーディル・ソロマハが汗だくの馬に乗って村役場から帰ってきた。(略)穀物を運ぶ荷馬車でミロンの所に急いだ。上からの命令を伝えに行ったのだ。遺体を村から片づけるように、死人は墓地に運んで一つの穴に入れ、生きている者は野原に追い払うように、という命令だった。(略)三人で仕事をはじめた。やっと命をつないでいる者たちを何軒かの家で見つけて、足が腫れあがっているのに野原に追い出した。】/ 【(略)彼の目をごまかして種を隠すことのできる者もいなかった。彼には特別の嗅覚があった。どこの家に立ち寄っても、穀物のある場所を間違いなく言い当てた。(略)枕や布団を切り裂いてパン種を見つけだした。夜中に粉を挽かせないように挽き臼を壊した。】/ ※1:ホロドモール: 1932~1933 年のウクライナ飢饉は, 飢饉を意味する「ホロド」と疫病を表す「モール」を合わせて, 「ホロドモール」と現在では呼ばれている。(岡部芳彦『日本人の目から見たホロドモール』) この飢饉による死者を、著者は700万人と推計している。/ 【二九年にスターリンによってはじめられた農業の強制集団化はウクライナの農村を荒廃させ、三一年の穀物生産高は前年の六五パーセントにも落ちこんだ。このような状況にもかかわらず、党・政府は農村から穀物の強制的徴収を続行し、農民は翌年の種付け用の穀物まで根こそぎ奪われた。その結果、ソヴィエト連邦の他の地域では起こらなかった飢饉が、他ならぬ「ヨーロッパの穀倉」と呼ばれる肥沃なウクライナの農村地帯を襲い、三二年、三三年に多くの農民が餓死した。(略)政府は飢饉の存在を否定し続け、外国からの食料援助を断ったために犠牲者は膨大な数にのぼった。(略)餓死者四百万から六百万ともいわれる大飢饉の記憶は、今なおウクライナ人の心に癒しがたい傷痕を刻みつけている。】(解説)
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