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森のフォークロア ドイツ人の自然観と森林文化 叢書・ウニベルシタス825
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 法政大学出版局/ |
発売年月日 | 2005/10/15 |
JAN | 9784588008252 |
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森のフォークロア
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ドイツの森…というと、Schwarzwaldが思い浮かぶ。 日本は山は激しいアップダウンがあって、太陽光が入り込みやすく明るめで、比較的平坦な地形にある森が黒く奥深く見通せない様子とは、だいぶ違うと昔、教わった。 山に対する信仰がある日本とは事情が少し違うのは、ナチスがプロパガ...
ドイツの森…というと、Schwarzwaldが思い浮かぶ。 日本は山は激しいアップダウンがあって、太陽光が入り込みやすく明るめで、比較的平坦な地形にある森が黒く奥深く見通せない様子とは、だいぶ違うと昔、教わった。 山に対する信仰がある日本とは事情が少し違うのは、ナチスがプロパガンダ利用した過去;ハイキングなどの森林利用やオークのイメージ、などに対する忌避が思った以上にある点だった。 日本での森の扱われ方との違いを知りたかったが、ダンテの昔から、森はコワ~いとこなのだ。日本では「山」がドイツの森に近いだろうが、同じコワーイでも、罪や恐れや不安よりも山や山の神に対して畏怖の念が強い。 同じくアウトサイダーが山に潜んでいても、天狗や山の神、で一段上な扱いだ。 (触らぬ神に祟りなし、持ち上げていこう) 現代ドイツ人の自然観については、わかりやすかったが、 森にロマンチックな郷愁を抱くことへの批判を恐れるあまりなのか、 その文化や歴史の圧倒的ボリュームゾーンであるエビデンスがあいまいな部分についての記述が物足りなかった。 (memo) P33 「ある景観のなかでの<なんて美しいのだろう>という言葉は、その景観の沈黙の言語を傷つけ、景観の美しさを減じてしまう」(アドルノ) エコロジストの良心の呵責をもたずに森を味わおうとするものは、俗物とされかねない。 P88 森は人間の生涯と比べ、より古く安定しており、つまり「より保守的」なのである。 P95 人間の木々と自己同一化への衝動 古い木の持つ歴史と、将来への期待と、自分の人生を比較しようとする衝動は世界中にみられる P99 生命の樹 P101 家具職人や森林所有者たちの経済的関心を除くと、人間たちの生ある木々に対する主たる態度は、今日にいたるまで、依然としてセンチメンタルでロマンティックなもののまま「自然体験の前近代的タイプ」 P106 木を崇めたてまつり、人間と木を同一視する文化背景 秘教・オカルト好き周辺の異様なこだわり(P291) P137 神話やイデオロギーの紋切り型に安らぎを求める人間は、善と悪が完全に二分した世界を望んでいるものだ P237 森は19世紀においても庶民と国家組織との社会的対立の場であった P268 1980年代前半までに喧伝された「森の死」は「ドイツ人大衆の抱いた妄想」 しかもドイツ人は、ロマン派の伝統から考えても、「死ぬこと」が大好きな人たち P276 黙示録的な破局が待っているかというと、(2000年には木が一本もなくなってしまう!)そうではない P279 アドルノは「田舎の脱野蛮化」を啓蒙の優先課題と考えていた P280 都会からやってきて、現場でやっていることなどにそもそも興味なんかない。それで人を情け容赦なく叩くのが好きなのです P295 自然に対する意識や体験の記述は、現代でも集団的な意識のプロセスを理解するための入り口 原註30 ダンテ『神曲』殺されたものと自殺者の嘆きの声が森の自然の音と混ざり合う。森という神話的世界で、耳を澄まそうとするものに、嘆きの音は森の気のなかに含まれる。森は罪のシンボル、恐れの場となり、不安をかきたて逃げ場がない
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こういう、図書館の隅にある長い間誰も手に取ってこなかったような、ほこりのかぶった本を読んでみたくなることが時々ある。大学の授業で民俗学をとっているのでレポートの題材探しという意味もあったけれど、少しくつろいだ気分で時々読み飛ばしながら、読んだ。「森の民族」ゲルマン人の血を受け継ぐ...
こういう、図書館の隅にある長い間誰も手に取ってこなかったような、ほこりのかぶった本を読んでみたくなることが時々ある。大学の授業で民俗学をとっているのでレポートの題材探しという意味もあったけれど、少しくつろいだ気分で時々読み飛ばしながら、読んだ。「森の民族」ゲルマン人の血を受け継ぐドイツの人たちの、木や森、果ては自然全体に対する愛情を感じることができたような気がした。開発と環境の間に揺れる我々日本人も、今、見習わなくてはいけないものかもしれないね。
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「森の神話化」についての論は、現在の日本の環境保護運動に対しても示唆的。オーラルヒストリーという方法にはリスクや困難さが伴うが、環境保護問題への対応、環境思想の発展における民俗学的なアプローチの可能性をより高めるのでは、。レーマン氏の論稿も必読。(日本民俗学会HP)
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