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よく生きる ちくま新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房/ |
発売年月日 | 2005/11/09 |
JAN | 9784480062680 |
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岩田靖夫 「 よく生きる 」 生きるとは何かについて ソクラテス、レブィナス、宮沢賢治などから わかりやすく説明した本。今年一番の凄い本。図書館で借りたが Kindle購入 ソクラテス「哲学の原則は 生きることではなく善く生きること」 *人間の生=人間らしい=善く生きること=...
岩田靖夫 「 よく生きる 」 生きるとは何かについて ソクラテス、レブィナス、宮沢賢治などから わかりやすく説明した本。今年一番の凄い本。図書館で借りたが Kindle購入 ソクラテス「哲学の原則は 生きることではなく善く生きること」 *人間の生=人間らしい=善く生きること=正しく生きること *吟味なき生(欲望的、動物的な生)は生きるに値しない *一国の主になっても〜大きな力を持っているわけではない 著者の結論〜幸福とは *自己実現は 人間が生きるための条件〜人間は自分自身の力で やりたいことをやって生きる *生きる喜びは 他者との交りにある〜他者とは私が自由にできない者。他者が応答してくれた時 その応答は喜びをもたらす *私たちと私たちの存在の根源〜宇宙のすべての存在者の根源との関わり〜普遍的な霊性→生と死は同じもの *人間は本性的に社会に生きる存在者→どのような社会を作るか *何のために生きているか〜かけがえのない人に会うため〜かけがえのない人に会うことによって 自分もかけがえのない人になる 福沢諭吉「学問のすすめ」 *人間は無知だから 奴隷根性で生きる *自分として生きるために 学問として知識を持つ必要がある *物事の道理を知らなければ 自主独立の人間になれない カント「啓蒙とは何か」 *何事も自分で判断できない状態=精神の未成熟 *啓蒙された人間=自律的人間=自分の理性により判断し生きていく人間 宮沢賢治「よだかの星」人間は弱いほど本質的な意味でいい *人間は 能力や地位で武装して 人を引きつけようとする〜その力がなくなれば、その人は見棄てられる *弱いのに近づいてきた人こそ その人自身と付き合いたい人 宮沢賢治「雨にも負けず」 *欲は無く→欲望を断つことが大切 *一日に玄米〜野菜を食べ→粗衣粗食→人間の本当の喜びは 心穏やかなこと *あらゆることを自分を勘定に入れず→自分の事ばかり考えると人間は不幸になる、自分を忘れるほど幸福になる *死にそうな人がいたら 怖がらなくていいと言う→そこに浄土がある *みんなに木偶の坊と呼ばれ→自分がいるのかいないのかわからないように生きる
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岩田靖夫(1932~2015年)は、古代ギリシャ哲学を専門とする元・仙台白百合女子大学名誉教授で、文化功労者(2003年)。 本書は、1992~2005年に、仙台白百合女子大学、清泉女子大学、聖心女子大学で行われた講演や様々な学会等での発表の中から、「よく生きる」というテーマに関...
岩田靖夫(1932~2015年)は、古代ギリシャ哲学を専門とする元・仙台白百合女子大学名誉教授で、文化功労者(2003年)。 本書は、1992~2005年に、仙台白百合女子大学、清泉女子大学、聖心女子大学で行われた講演や様々な学会等での発表の中から、「よく生きる」というテーマに関わりのあるものを集め、2005年に出版されたものである。 私は、10年ほど前に購入して、読み止しであったが、先日、渡辺和子さんの回想録を読んだこともあり、今般通読してみた。 著者の根本理念は、自らを「ソクラテスの弟子の端くれ」というように、『クリトン』にある「もっとも大切にしなければならないことは、生きることではなくて、善く生きることである」というもので、ソクラテス、プラトン、アリストテレスをはじめ、宮沢賢治、レヴィナス、ドストエフスキー、ニーチェ、親鸞、ロールズら、古今東西の哲学者・宗教家・作家などの思想を引用して持論を展開している。 具体的な論点としては以下の4つを挙げている。 ◆人間の幸福の第一は自己実現である。「人間が自由で自律的な存在者である」ことの基本的な意味は、自分自身の力で、やりたいことをやって生きるということ。自分で自分を支えられないような人生、他人に命令されるがままの奴隷的な人生であってはならない。 ◆しかし、各人が自己実現に励む社会は必然的に競争社会になり、否応なしに勝者と敗者が生まれる。よって、自己実現は人間が生きるための条件であって、生きる意味ではない。人の本当の喜びは、自己実現のうちにあるのではなくて、他者との交わりのうちにある。 ◆人は自己を実現して自分の存在を確保し、他者との交わりによって愛の喜びを味わっても、挫折、病気、老化、死のような問題についての確たる態度を持てなければ、真の安らぎを得ることはできない。そこで、私たち個々の存在者は「根源」から送り出され、死を通して「根源」に帰るのであり、その「根源」は、「存在」、「神」、「絶対者」、「天」、「空」など様々に呼ばれるが、いずれにしても、善意に満ちた親であり、我々はその親元に帰るのだと信じることができれば、安らぎが生まれる。 ◆人間は本性的に社会の中で生きる存在であり、その人間社会の究極理念である「自由」と「平等」を実現するために、人類は、民族という枠に囚われず、世界市民として国境のない自由で平和な世界をめざさなくてはならない。 (2019年5月了)
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新書にしては大変重量のある内容であり、質、量ともに充実していた。 よく生きる、というテーマについて導き出されたいくつかの提案は、是非とも自分の目で目にするべきだと思うが、特に感銘を受けたのは、第3章の「神について」である。 その存在についてスピリチュアルな考察をするのではなく、...
新書にしては大変重量のある内容であり、質、量ともに充実していた。 よく生きる、というテーマについて導き出されたいくつかの提案は、是非とも自分の目で目にするべきだと思うが、特に感銘を受けたのは、第3章の「神について」である。 その存在についてスピリチュアルな考察をするのではなく、よく生きないといけない理由、善き人でなければならない理由、そうあろうとする理由が、心に訴えかけられる。 非常に意義ある読書体験だった。
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