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幸田文のマッチ箱
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 河出書房新社/ |
発売年月日 | 2005/07/21 |
JAN | 9784309017228 |
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幸田文のマッチ箱
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商品レビュー
4.3
3件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
1940年生まれ、村松友視さんの36歳年上の幸田文さんへの想いを綴った作品でしょうか。幸田文さんの伝記といってもいいかもしれません。著者「渾身」の作です。全12話のトップを飾るのが「幸田文のマッチ箱」。幸田文さんの気配り、優しさが余すところなく描かれています。2005.7発行。幸田文、1904.9.1~1990.10.31、享年86。主な作品:「みそっかす」「あとみよそわか」「おとうと」「黒い裾」「流れる」「崩れ」など。
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・これが死なのだろうか、こんな手軽なことで、―碧郎の指は冷えていたが腕は温かかった。もっとよく納得行かしてもらいたかった。父のいる側へ廻っていこうとし、げんはふらりと二三歩あるいた。まどかけを引かない大きなガラス窓から、暗い暁の空が星をちりばめて見えていた。その星がつうと一つ流れて尾を曳いた。つうつうと二ツ三ツ、四ツ五ツ、ばらばらばあっと、みんな線を描いて落ちだし、そのへんががらがらと大きな音がした、―と思ってげんはわからなくなった。 52歳の作者の弟への思いがあらわれているようだ、とまとめられている。ここで、スタニスラフスキィの演劇論を思い出した。今までの自分の経験の中から演技をする。同じような状況になった時、自分はどうしたか。相手に伝わるだろう外見を演じるのではない。それが真実ならただ沈黙して前を凝視しているだけでも、それは演技として必ず観客に伝わる。 文章も、小説もきっと同じだ。文にする時に文才や力、努力が要るかも知れないけれど、きっと自分の中にあるものから絞り出すのだ。
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この本は、私に急いで読むな!と、いつも話しかけてくる。つい立ち止まって周りを見回し、エヘヘヘと含み笑いをして再び読み始める。 先へ進もうとするが、再びユックリゆっくりと話しかけてくる。 煙草を吸うことができれば、本を読んでいるだけで数十本が煙になって消えていくことだろう。 ...
この本は、私に急いで読むな!と、いつも話しかけてくる。つい立ち止まって周りを見回し、エヘヘヘと含み笑いをして再び読み始める。 先へ進もうとするが、再びユックリゆっくりと話しかけてくる。 煙草を吸うことができれば、本を読んでいるだけで数十本が煙になって消えていくことだろう。 急ぐな急ぐなという本も珍しい。近ごろの本は「尾も白い」から一晩で読んでしまったとか、一気の読まされたいう本の世界で、希有な存在に思える。 5点満点だが・・・!!
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