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小津安二郎と戦争
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小津安二郎と戦争

田中真澄(著者)

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小津安二郎と戦争

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 みすず書房
発売年月日 2005/07/25
JAN 9784622071488

小津安二郎と戦争

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商品レビュー

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2008/04/27

戦争から還ってきてからも、戦争とあんまり関係のないような映画を撮っていた人の従軍記というのは、 記録の信頼性というものを考える上で重要だと思います。 嘘をつく必要がないだけではなく、 「なんでも映画のネタにしてやる」と思って書いているから、 普通目が届かないようなところまで観察し...

戦争から還ってきてからも、戦争とあんまり関係のないような映画を撮っていた人の従軍記というのは、 記録の信頼性というものを考える上で重要だと思います。 嘘をつく必要がないだけではなく、 「なんでも映画のネタにしてやる」と思って書いているから、 普通目が届かないようなところまで観察して書かれているのです。 しかも「政治なんかとあんまりかかわりたくない」と思っている人だから、 イデオロギーのバイアスがかかっていなくて、ぽろっととんでもないことを書いたりするのです。 愛国者の奮闘紀にも、「ひどい体験をした」という書き物も、それぞれ個々の作品としては心を打ちますし、 記録としての重要性はもちろんあります。 ですが、そういう記録には、「俺たちがどんなに一生懸命だったか」「どんなに悲惨な目にあったか」を強調しようとするきらいがあって、 「実際に経験している人は誰でも知っているのだけれど、いちいち書こうとしないディテール」が見落とされていたりするのです。 そういったディテールは、「殺し合いの中でさえもネタを拾おうとする」観察者の精神がなければ、 歴史の上で「なかったこと」にすらされてしまうのではないかと思うのです。 私の戦争に対する考えに大きな影響を与えてくれたのは、今思い返してみると、 大文字で語られる公式見解ではなく、そういった 「細かい、何気ないディテール」に隠されていたヒントだったと思うのです。

Posted by ブクログ

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