ドイツ人女性たちの“誠実" ナチ体制下ベルリン・ローゼンシュトラーセの静かなる抗議

幸津國生(著者)

• 販売会社／発売会社: 花伝社/共栄書房
• 発売年月日: 2005/12/26
• JAN: 9784763404572

商品レビュー

2015/04/13

ユダヤ人と結婚したドイツ人女性たちがナチスに猛抗議したことにナチスも驚いた。
ドイツ人男性の方がいじめや迫害を恐れて、すぐにユダヤ人妻と別れた。
ナチスが権力を獲得した1933年当時、ドイツにいたユダヤ人は50万人3000人で、全人口の0.7％しかいなかった。ほとんどのユダヤ人は大都市に住み、ベルリンに3分の１が住んでいた。

1942年末にはドイツからの東部絶滅収容所への（ドイツ軍需産業における強制労働にも役立てられない）ユダヤ人の移送はすでに多くの地域で終了し、この時点でドイツ本国で暮らし続けていたユダヤ人は5万1372人（ヴァイマル期の1割以下）に減っていた。ベルリンなど大都市の1ダースほどの労働収容所に集められ、2万名を超えるユダヤ人が工場で強制労働者として働かされていた。ヒトラーはこの年、繰り返しドイツの軍需工場からユダヤ人強制労働者を配乗するように要求していたが、1943年はじめになって毎月数十万人の外国人労働者が中心工業地帯に導入配置され、ナチ指導部にはようやくユダヤ人強制労働者の代わりを務めるに十分な充員が存在すると判断されるようになる。