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鮮やかな影とコウモリ ある自閉症青年の世界
定価 ¥3,080
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | インデックス出版/ |
発売年月日 | 2005/01/01 |
JAN | 9784901092401 |
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鮮やかな影とコウモリ
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鮮やかな影とコウモリ
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本を読む楽しさ。自分とは全く違う視点から世界を眺めること。 「自閉症」と一つにくくっては解らなくなるだろうけれど、世界は、こんな風に感じられることもあるのか。フラットな感情、愛着をもつ対象の違い、そしてなにより、「死」への感覚の違い。彼の心に、目の前にある愛情は見えないようだ。人...
本を読む楽しさ。自分とは全く違う視点から世界を眺めること。 「自閉症」と一つにくくっては解らなくなるだろうけれど、世界は、こんな風に感じられることもあるのか。フラットな感情、愛着をもつ対象の違い、そしてなにより、「死」への感覚の違い。彼の心に、目の前にある愛情は見えないようだ。人の顔が認識できないように。 それでも、「ノック人とツルの森」のように、不思議な明るさと甘さ、きらきらと瞬くものがあって、世界はいろいろなもので出来ている、と喜ばしく思った。
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著者の自伝的小説。 少し前に「ノック人とツルの森」を読んだのですが(これは素晴らしかったです)、著者が自閉症者であることを知ってびっくりしました。 私は脳に興味があるので、自閉症について書いたものや、自閉症の方が書いた自伝は何冊か読んでいます。でも、自閉症者自身が書いた小説って...
著者の自伝的小説。 少し前に「ノック人とツルの森」を読んだのですが(これは素晴らしかったです)、著者が自閉症者であることを知ってびっくりしました。 私は脳に興味があるので、自閉症について書いたものや、自閉症の方が書いた自伝は何冊か読んでいます。でも、自閉症者自身が書いた小説って初めて! 著者は「ノック人~」より前に自伝的小説を書いていると、あとがきにありました。ただの自伝じゃなく、自伝的小説、それって自伝とどう違うの?俄然興味がわいて、図書館で借りてきました。 読み終わって・・・・、確かにこれは小説です。自分自身のことを書いたのだから「自伝」だけど「小説」になってます。 プロローグの「僕が生まれた火曜日は特別な日だ。」の文章で、がっちり心が捉えられました。これだけで一気にこの物語に引き込まれます。 話は2歳の時から始まります。僕の目に世界がどう見えているのか僕の一人称で語りながら、他の人の行動も話したこともいろいろ書き込まれています。家族や他の人たちがどう感じているのか、書いてないのに読者に分かる書き方・・・・。ああだからこれは自伝的小説なんだ! 著者のアクセルは、世界を普通の人のように捉えることが出来ません。彼にとってはなぜ他の人がそうなのか理解するのがすごく難しいのです。でもその説明を他の人に求めても無駄だということは経験上分かっているので、回りを観察して何とか環境に適応しようと努力はしているのです。その努力はあまり報いられないし、分かってもらえないのですが。 物語はアクセルが20歳になる直前で終わっています。2歳から20歳まで、彼は自分と他の人がなぜ違うのか分からないまま何とかこの世界で生きてきました。そして物語が終わる頃、自分を理解したのかな?何かひとつステップを上がった感じがしました。 私は言葉にも興味があるので、ろう者(耳の聞こえない人)が声で話すように学習する過程などの努力を書いたものなども読んだことがあります。 音が聞こえない状況で相手の口の動きで何を言っているのかを知り、自分では聞こえない声を発して言葉を伝える。大変困難なことで、それが出来るようになるろう者はたくさんはいません。 アクセルが「普通に見えるように生活」出来るようになるためにしたことは、それに似ているように思います。自分では分からない相手の感情を学習によって推測し、それに合わせた行動や発言をする。 そうすることで「目立たないでいる」生活が出来るようになったのですが、それはとても苦労して手に入れたものなのです。 この本は、自閉症者のアクセルが「普通に見える」ことを獲得するまでの苦難の物語だとも言えます。 エピソードの一つ一つがとても良かっただけでなく、独特の感性が感じられる文章を繰り返し読んで心地よさを味わえました。 きっと翻訳も良いのでしょう。 カタカナで書いてあるところとか、ちょっとずれた言葉とか、翻訳は苦労されたんだろうな。造語も多いという原作ではどうドイツ語をいじってあるんだろうと知りたい気持ちがします。(外国語は全く分からない私・・・・) 「ノック人~」もこの本も図書館で借りました。「ノック人~」はけっこうたくさんの人が読んだんだろうなという手掏れ感があったのですが、この「鮮やかな影~」はすごく奇麗で・・・。たくさんの人に読んでもらいたいなあ、もったいない。 ということでこの本は大変お勧めしたい本です!
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