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復活(下) 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社/ |
発売年月日 | 2004/12/01 |
JAN | 9784102060193 |
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復活(下)
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商品レビュー
4.1
31件のお客様レビュー
青年貴族ネフリュード…
青年貴族ネフリュードフと薄幸の少女カチューシャの数奇な運命の中に人間精神の復活を描き出し、当時の社会を痛烈に批判した大作。
文庫OFF
いつから読み始めたのか、もう覚えていないが、ようやく読み終わった。長編小説を読む元気が長らくなかったため、読みさしでかなり長いこと放置していたが、ひさびさに開いて読んでみたところ、わりあい容易く読み終えてしまった。長編小説って、読めるときは読めるし、読めないときは読めないもんです...
いつから読み始めたのか、もう覚えていないが、ようやく読み終わった。長編小説を読む元気が長らくなかったため、読みさしでかなり長いこと放置していたが、ひさびさに開いて読んでみたところ、わりあい容易く読み終えてしまった。長編小説って、読めるときは読めるし、読めないときは読めないもんですね。 内容について、改めて何か書く必要など無いくらいに有名な本だと思うので、とくに内容についてまとめたりはしません。そういうのは不得手ですし。 印象に残った部分をひとつ引用したい。 「《人間の内部にひそむ野獣の動物的本能はいとうべきものだ》彼は考えた。《だが、それが純粋な形であれば、人は自分の精神生活の高みから見下ろして、それを軽蔑することができる。たとえ堕落しようと、自制しようと、これまでどおりの自分でいることができるからだ。ところが、この動物的本能がいつわりの美的で詩的なヴェールの下に隠れていて、自分に対する跪拝を要求するような場合には、人はややもするとその動物的本能を神聖なものにしながら、もはや善と悪の区別がつかなくなって、その中へ没入してしまうのだ。そうなったら、恐るべきことだ》」(pp. 180–181) 私たち人類は今もなお、「いつわりの美的で詩的なヴェール」に隠れた「動物的本能」の陥穽に嵌ったままで、ずっと抜け出せないでいるように思います。もうずっと「恐るべきこと」の渦中にいるのだと思います。いったい、いつになったら自由になるのでしょうか。この本にはそのヒントも書かれているように思いますが、そうなる時が来る気配はまだまだ感じられません。フロイトはアインシュタインとの書簡で、人類が十分に文化的になれば自ずと争いを嫌悪するようになり戦争はなくなる、といったことを言っていましたが、文化的には程遠いように見えます。 また、「文化」的なものにも注意しないといけないのではないかと、そんなことをふと思いました。そこにもヴェールに隠れた「動物的本能」が紛れており、われわれに跪拝を要求している。となると、いったい何を信ずべきで、何を遠ざけるべきなのでしょう。それはどのようにして、見分けられるのでしょうか。 ……そんなことを考えると恐ろしくなってしまうので、程々にしておきましょう。
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※このレビューにはネタバレを含みます
ネフリュードフとカチューシャの物語のしてみると、報われない恋というかきっとこの先それぞれにとっての人生での幸福や充足が期待される展開でよかったなと。ラブロマンスとしては物足りないような気もするが、きっとトルストイの描き出したかったのはそこじゃないと思うからどうでもいいっちゃどうでもいい。 最初の方は格差社会に対する強い批判を感じていたけど、実はそうではなく当時のロシアの徹底的警察主義を批判していると言うもの。たしかに批判の標的になるのは司法や刑罰に関するものばかりで、貴族を糾弾するわけでもないし社会主義を強く擁護したりするわけでもない。最終的にネフリュードフがたどり着いた救いの道は、ある意味基本にかえるということのように感じた。福音書に書いてあること、ただの理想と思っていたけれどもいざ心境が変わってから読むと真理が浮き彫りになってくる。世界の真理というは絶対的に単純なもののはずだけれども、抽象的すぎるために現実世界で実践するには幾多もの解釈が生まれて複雑になるような気がする。 みな人間はその愚かさを自覚すべきであり、そうなると人間が人間を裁く、罰するということはちゃんちゃんらおかしいというのがイエスの教え。右の頬を張られたら左の頬を差し出しなさい。神を信じず自分を信じる、といった老人の主義は、本質的にはこのイエスの教えと通ずるもののはずなのに、キリスト教を布教するイギリス人の目にはそう映らなかったのはなぜか?こんなに言葉で説明するのが難しいことを、小説という形にして見せてくれるトルストイ、やっぱり大文豪だ。
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