多神教と一神教 古代地中海世界の宗教ドラマ 岩波新書

本村凌二(著者)

• 販売会社／発売会社: 岩波書店/
• 発売年月日: 2005/09/21
• JAN: 9784004309673

商品レビュー

2023/12/16

初めに多くの神々があり。そして、虐げられた民により一神教が生まれた。しかし、多神教の国・日本に生まれ育った自分に、一神教の本質が理解できるかは疑問がある。それでも世界を理解するには、宗教を知ることが必要だと思う。文字が、神々のことを記録するために生まれ、表音文字アルファベットが普及することが、神と人との距離を遠ざけてしまったようだ。多神教の中の至高神、一神教の中の聖者崇拝と、宗教とは真に複雑なのだな～

2023/05/17

・二一世紀に生きるわれわれ現代人にとって、古代は遥か彼方の世界にしか思えない。しかしながら、人類の文明史五千年のなかで、じつに四千年は古代なのである。このことからだけでも、古代という時代の厚みは現代にも少なからぬ影響をおよぼしていることがわかる。とりわけ宗教にあって、今日でも避けて通れない問題をはらんでいることは周知の事実であろう。なかでも古代地中海世界はユダヤ教、キリスト教、イスラム教という一神教を生み出した舞台でもあったのであり、そのことは歴史のなかの驚異でもある。

2021/05/11

古代の多神教から一神教が生まれる過程を読み解いた本。史料的な制限が有る時代において、筆者は人々の心性に踏み込んで解釈を行う。話題の展開は多岐にわたり、歴史展開だけに留まっていない。