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狙われた自治体 ごみ行政の闇に消えた命
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狙われた自治体 ごみ行政の闇に消えた命

下野新聞「鹿沼事件」取材班(著者)

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狙われた自治体 ごみ行政の闇に消えた命

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店/
発売年月日 2005/05/27
JAN 9784000243018

狙われた自治体

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商品レビュー

4.6

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2019/01/23

2001年10月31日。栃木県鹿沼市役所の環境対策部参事で 廃棄物処理場のセンター長を務める男性が、帰宅途中で姿を 消した。 自宅に残されていた一枚のメモにはふたつの会社名と、家族が 男性の名前が記されていたほかに「受け取り拒否」の文言。 男性職員は家族に厳命してい...

2001年10月31日。栃木県鹿沼市役所の環境対策部参事で 廃棄物処理場のセンター長を務める男性が、帰宅途中で姿を 消した。 自宅に残されていた一枚のメモにはふたつの会社名と、家族が 男性の名前が記されていたほかに「受け取り拒否」の文言。 男性職員は家族に厳命していた。このメモに記された相手から 贈り物があっても絶対に受け取らないように…と。 メモに記されていたのは廃棄物関連会社名と、その経営者の名前 だった。 後に遺体なき殺人事件及び行政対象暴力事件として注目されること になる「鹿沼事件」を、地元紙・下野新聞が連載で詳細を追った 優れた事件報道である。 ごみ行政は金になる。そこに目をつけた廃棄物関連会社の経営者は、 政治家に近づき、行政に食い込んで行く。時には秒力団との繋がり があることをちらつかせて。 甘い汁を吸い続けられるはずだった。だが、鹿沼市の担当者が変わっ たことで事態は一変する。自治体からの指導が厳しくなり、これまで 通用していた脅しも効かない。苛立つ経営者が思いついたのは、目の 上のたんこぶである市職員を消してしまうこと。 事件の裏の途轍もない闇を感じた。市役所と民間企業との間に交わさ れた謎の念書の存在。鹿沼市に存在した政争。市上層部に引き継がれ ていたであろう特定企業への優遇。 多くの市職員が薄々は感じていたが、表立って正そうとはしなかった ことにあえて挑んだ一職員が逆恨みされた事件ではないだろうか。 主犯格と目された経営者こそ立憲前に自殺しているが、実行犯4人は その供述を根拠として裁判に付されている。 報酬目当てに罪もない市職員を殺害した4人は、勿論、罪に問われる べきだ。しかし、それだけでいいのだろうか。 殺害された男性職員が廃棄物処理場のセンター長へ異動になる際、 当時の鹿沼市長は「君にしかできない」と言っている。市長も 官業の癒着を把握していたのではないのか。 市が独自に設けた百条委員会での調査結果も、どこか歯切れが悪い。 遺体も見つからない。事件を引き起こした背景もうやむや。残された 家族はたまったものではないだろう。 正しいことをしようとして奪われた命がある。責任はどこにあるのか。

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2013/02/20

恥ずかしながらこの事件のことは知らなかった。 「夜道に気をつけろよ」みたいな話があることは、頭では理解していても、こういう実際に起こった事件を読むと恐ろしくなる。 自治体が職員を暴力から守りきれなかったのだが、組織そのものやその長が業者とずぶずぶの関係にあったのだから、殉職した職...

恥ずかしながらこの事件のことは知らなかった。 「夜道に気をつけろよ」みたいな話があることは、頭では理解していても、こういう実際に起こった事件を読むと恐ろしくなる。 自治体が職員を暴力から守りきれなかったのだが、組織そのものやその長が業者とずぶずぶの関係にあったのだから、殉職した職員も浮かばれない。

Posted by ブクログ

2011/08/26

現場に残された自転車、セカンドバッグ、書類の束、 一人の公務員が、忽然と消息を絶った。 廃棄物処理に絡んだ未曾有の行政対象暴力事件。 その全貌に迫る。 2001年10月に栃木県鹿沼市の職員が帰宅途中で 拉致、殺害されたとされる鹿沼事件は、行政を対象と した暴力事件と...

現場に残された自転車、セカンドバッグ、書類の束、 一人の公務員が、忽然と消息を絶った。 廃棄物処理に絡んだ未曾有の行政対象暴力事件。 その全貌に迫る。 2001年10月に栃木県鹿沼市の職員が帰宅途中で 拉致、殺害されたとされる鹿沼事件は、行政を対象と した暴力事件として、全国的にも大きな注目を集めた。 当時、自分も、業務上のトラブルにより殺害されたと いう新聞記事を読んで、戦慄した覚えがある。 本書では、廃棄物処理を担当していた一人の公務員が、 筋を通そうとして、命を奪われた事件を地元紙ながらの 丹念な取材で複雑に入り組んだ利権の構図にに迫った本 である。 最悪の結末を迎えてしまった背景には、市役所の歪んだ 体質や、地方政界のドロドロしたものが影響している事 がわかる。本書は大変な労作ではあるが、キーマン達が、 死亡しているという事もあり、もやもやしたものが残る。 新聞ゆえに書ききれなかったものもあると思うが、いろ いろな教訓を得られる事は間違いない。

Posted by ブクログ

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