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ノー・セカンドチャンス(下) ランダムハウス講談社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | ランダムハウス講談社/ |
発売年月日 | 2005/09/13 |
JAN | 9784270100066 |
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商品レビュー
4
3件のお客様レビュー
ずっとマイロン・ボライター・シリーズを書いてきたハーラン・コーベンは、21世紀に入ってから、馴染みのシリーズを離れ、がらりと作風を変えた単独ミステリーに傾注してゆく。その現象が、後から顧みて、どうも不思議である。どちらかと言えば陽気でユーモラスで、軽妙で、それでいながら血が熱く...
ずっとマイロン・ボライター・シリーズを書いてきたハーラン・コーベンは、21世紀に入ってから、馴染みのシリーズを離れ、がらりと作風を変えた単独ミステリーに傾注してゆく。その現象が、後から顧みて、どうも不思議である。どちらかと言えば陽気でユーモラスで、軽妙で、それでいながら血が熱くなるような、人間の内側に潜り込んで書いていたようなウェットな作家だったように思うが、本書を見る限りはスリルとサスペンスという物語の側に軸を移し、より過激に、より血腥く、そしてよりエンターテインメント色を強めるよう意識して作風を変えた、というように見える。 まるで違う作家のように見えるのは、訳者が変わったこともあるのかもしれないが、やはり馴染みのボライター・ファミリー、癖の強いバイプレイヤーたちの姿を一端消去して、新しいコーベン・ワールドにリセットし直したようにしか見えないのが、シリーズに続く各単独作品である。とりわけ本書は、まったく異なる作家が書いたかのような過激なサイコ・スリラーである。 いきなり主人公の「私」が撃たれるシーンに幕を開ける小説というのは、多くはないだろう。それも二発。叙述が始まった途端、昏睡。時間が飛ぶ。撃たれ、娘が誘拐されたこと、妻が殺されたことがわかるのは、昏睡から覚醒したときだ。治療中の病院のなかだ。最悪な状況把握の中、誘拐犯側から身代金要求の連絡が入る。「いいか? チャンスは一度だけだ(No Secand Chance)」 無理やりな退院。身代金を受け渡しにゆくが空振り。そして一年半経ち、またも犯人側から身代金受け渡しの指示。 そしてアクション。捜査。またアクション。立ち止まる気配のないノンストップ・スリラーである。しかしすべてが一人称叙述ではない。誰かよくわかない犯人側の三人称描写も続く。狂った女とサディスティックな男の狂気のコンビ。これらが誘拐犯かと思うと怖すぎる。二度三度に渡る身代金受け渡し兼復讐心のこもった追跡劇。 元FBI捜査官レイチェルや近所の友人弁護士レニーの力を借りて娘の奪還のためにすべてを賭ける主人公マーク・サイドマンの足取りを追いつつ、片や非情でサイコな殺し屋カップルの動きを追う。途中で世話になるヴァーン・ファミリーの個性が素晴らしく、銃器の専門家であり古き良きレッドネックの激しさも優しさも感じさせてしまうところが、どこかマイロン・ボライターとセットの親友ウィンの立ち位置を彷彿とさせる。 サイコでもあり、アクションでもありながら、ロード・ノベルでもあるという、旧来のこの作者のシリーズとはかなり色を変えた、同じ作風とは絶対に言えない新たな独立作品の初期長編。ぼくとしてはページを開いたら全くブレーキが利かなくなった小説。最後までフルアクセルで読めるバイオレンス・スリリング・アクションでありました。
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かつて恋人だった元FBIのレイチェルの力を借り、再度、身代金の受け渡しに向かったマーク。しかし、またも犯人を取り逃がしてしまう。しかも走り去る犯人の車の中に見えたのは、娘ではなく、見知らぬ男の子だった。娘はいったいどこに? マークは必死で犯人を追う。だが、行く先々で手がかりとなる...
かつて恋人だった元FBIのレイチェルの力を借り、再度、身代金の受け渡しに向かったマーク。しかし、またも犯人を取り逃がしてしまう。しかも走り去る犯人の車の中に見えたのは、娘ではなく、見知らぬ男の子だった。娘はいったいどこに? マークは必死で犯人を追う。だが、行く先々で手がかりとなる人物が殺され、警察はマークを犯人として追い始める。絶対絶命の中、彼がたどり着いたあまりに切ない真相とは…。 この頃は、後年の作品に比べて、ツイストにややキレがなかったように思う。 調べてみたら、フランスで映像化されているのだとか。
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ハーラン・コーベンのアクションサスペンスらしい作品。 いきなり主人公が拳銃で撃たれて瀕死の重傷を負い、病院で目覚める冒頭。その際に行方不明となった生後数か月の愛娘を追いかける話が基本なんだが、主人公は普通の生活を営む形成外科医で、アクションなんかに無縁で、どっちかというと色恋沙...
ハーラン・コーベンのアクションサスペンスらしい作品。 いきなり主人公が拳銃で撃たれて瀕死の重傷を負い、病院で目覚める冒頭。その際に行方不明となった生後数か月の愛娘を追いかける話が基本なんだが、主人公は普通の生活を営む形成外科医で、アクションなんかに無縁で、どっちかというと色恋沙汰の方が得意そうなナンパタイプ。 そんな主人公に、旧友の弁護士、元恋人のFRI捜査官美女、トランプを支持しそうな田舎西部ガンマンなどが味方に付いて、主人公を疑う警察FBIや殺し屋2人組とのバトルや逃走劇を繰り広げるのが話の90%を占めている。この部分はまさにジェットコースター感満載で、ページを繰らせるのが非常に上手い。「これぞアクション小説の醍醐味」と大喜びなのだが… ラストの10%でドギモ抜かれる。えー!じゃ、この90%ってなんやったん?いや、物語に必要な要素なんやけど、このドンデン返しはちょっとびっくりするし、かなり苦いハッピーエンドにしたもんやなぁ。 強引なだけではなく、こういう結果もありなんだけど、若干皮肉が効きすぎてるような気もするなぁ。
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