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中世の非人と遊女 講談社学術文庫1694
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中世の非人と遊女 講談社学術文庫1694

網野善彦(著者)

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中世の非人と遊女 講談社学術文庫1694

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2005/02/10
JAN 9784061596948

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商品レビュー

3.6

8件のお客様レビュー

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2024/06/25

もとは、川端康成などの小説に出てくる社会からはみ出た女性たちの存在に興味をもち、こういった女性はどこから出てきたどうゆう身分の人たちなのか不思議に思ったのがきっかけ。だから本書を読むにあたって一番期待したのは非人ではなく遊女だったが、読み終わってみて、主題は非人、遊女はどちらかと...

もとは、川端康成などの小説に出てくる社会からはみ出た女性たちの存在に興味をもち、こういった女性はどこから出てきたどうゆう身分の人たちなのか不思議に思ったのがきっかけ。だから本書を読むにあたって一番期待したのは非人ではなく遊女だったが、読み終わってみて、主題は非人、遊女はどちらかというとオマケだと気づいた。 近現代で差別の対象となった/なっている人たちの根源をさぐろうとするのが狙いなのか何なのか、とにかく種々の被差別民が登場する。今の被差別民は古代、すくなくとも中世までは職能民であり、その身分は天皇大王によって保障されていた、つまり元は被差別民どころか神聖な身分ですらあったが、室町戦国を境に天皇の権威が失墜し、それに附従していた人たちも卑賤な存在に転落して、今に至る、というのが本書の主眼。 中世までは庶民だけでなく皇族の貴婦人も自由に各地を旅し、いまの倫理基準では乱交とみなされてしまうことも、当時はある程度認められていたらしい (但し、おそらくは未婚に限って)。遊女も元は天皇皇族のために特殊な職務を帯びた人たちであったのが、身分を失って、職能にたよって生きてゆくとなったとき、そこに男を慰める女性が生まれたらしい。 論題自体はおもしろいものの、文庫でありながら内容は専門書で、体裁としては論文集。一篇おわるごとに大量の文献が並ぶ。筆者が書くのも基本的には過去に提起されたみ方や推論に対する反論であって、過去にどういう議論があったのか知らないと辛いところも多々あるし、そもそもその時代の日本史を知らないとつらい。 そして筆者自身がいうように、元は方々で発表した文章を寄せ集めたもので、もう少し整理したいと思いつつも果たせず、発刊の期が熟したために半ば未完成なままになったのだとか。実際、同じことがなん度もでてきて、まとまりは確かにない。第二部は遊女が中心かと思ったら割と非人系の話が多くて、タイトルとあっていないなとしばしば感じる。 ----- p.152 ……非人や遊女・傀儡子は、たしかに公民、平民百姓を基盤とする「社会秩序」とは異質の存在ではあるが、決して社会秩序の全体から「忌避」されていたわけでも、国家全体の枠外に置かれていたわけでもない。……中世前期---少なくとも鎌倉期まで、遊女・傀儡子は決して賎視されていたわけではなく、むしろ天皇に直属する形で宮廷に出入りしていたのであり、非人もまたこの時期には聖なる存在として畏れられた一面が確実にあった……。それは基本的には天皇、神仏に直属する供御人、神人、寄人と同質の存在であった。……中世前期の「職人」身分は、このように……「聖」なるものに直属することによって、自らも平民とは異なる「聖」なる存在としてその職能---「藝能」を営んだ点に、その重要な特質があるといえよう。しかし南北朝の動乱を境に、天皇、神、仏の権威が低落し、権威の構造、そのあり方自体が大きく転換した結果、中世後期以降……、……実利の世界に転生することが難しく、「聖」なるものに依存する度合いの強かった人々が賎視の対象となっていく……。 女性については、江戸明治と女性が鳥籠に閉じ込められて自由などなかった、というのが一般論であるのに対し、実際の当時の女性たちはそんなことはなかった、といろいろ論証をあげながら語るが、紫式部や清少納言が、誰にでも顔をみせる女房という立場ほどみっともないものはないと語ったらしいように、実際、身分や立場などによっては本当にそうだったのだと思う。貴族が廃れて武家社会になってからは、武士の奥方がつまりはそれを引き継ぎ、いわゆる日本の奥ゆかしい女性像につながったのではないかと思う。 本書は総じて、なるほどと感心感嘆するところも多いものの、筆者の仮説であることが多く、しかも次から次に説明の対象が替わるので、一つ一つの主題が解決されぬまま次の主題に映る感じがして、正直悶々とする。 ----- p.232 「後藤紀彦……はまた、天皇、上皇、高位の貴族に寵愛されて、その子を生んだ数多くの遊女・白拍子がおり、鎌倉期はこうした女性を母にもつことは、官位の昇進になんら妨げになることはなく、遊女・傀儡はこうした実情を背景として、可也はやくから、前者は光孝天皇の……、後者は村上天皇の「姫君」を祖とするという伝承を伝えていた、という……事実に言及した。」 紫式部作とされる『源氏物語』の帝のモデルおよび紫式部が内裏で女房をしていたころの帝が村上天皇らしい。とゆうことは、紫式部のあの時代に舞妓、遊女が天皇の子を産んでいたのか。登場人物の中に一人くらいはそういう出自もいるんだろうか。承久の乱の直接的原因となった伊賀局は白拍子、つまり遊女だったらしい。

Posted by ブクログ

2017/01/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2005年(底本1994年)刊行。著者は2004年没、本書は没後に文庫化されたものである。  著者らしく、視点・立脚点を揺さぶられる書である。多面的にみる癖を習得するのに格好の著であることは間違いない。  本書は非人と女性論を展開するが、個人的には女性論に興味を惹かれるところ。

Posted by ブクログ

2014/09/29

やはり専門書なだけあって、きちんと勉強していない身には少々ハードルが高かった。 南北朝時代に、というか建武の新政に時代の断絶というか、価値観の一変があったという指摘は興味深い。文観の手の者が、非人に通じる者だったり、鎌倉時代における農民以外の職能民への蔑視の進行など、新知見も多い...

やはり専門書なだけあって、きちんと勉強していない身には少々ハードルが高かった。 南北朝時代に、というか建武の新政に時代の断絶というか、価値観の一変があったという指摘は興味深い。文観の手の者が、非人に通じる者だったり、鎌倉時代における農民以外の職能民への蔑視の進行など、新知見も多い。 また、女性を扱った2章は、女性は家に居て、男性を支えるという価値観が、如何に江戸、明治を通じて作られたものかということがわかった。 こうした価値観が、一般庶民に広がったのは、かれこれ100年ほどのことなのかもしれない。

Posted by ブクログ

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