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お言葉ですが…(9) 芭蕉のガールフレンド
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 文藝春秋/ |
| 発売年月日 | 2005/02/10 |
| JAN | 9784163667508 |

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商品レビュー
4.5
2件のお客様レビュー
中国文学研究者による言葉、漢字、文芸、文化などについての痛快、軽妙、教養豊かなエッセイ。週刊文春に連載されたもの。50話ほどだが、互いに関連はない。よく調べよく考えて書かれていて、感心することしきり。 ・喧々囂々、侃々諤々はあっても喧々諤々はもともとなかった。 ・「君看よ双眼の色...
中国文学研究者による言葉、漢字、文芸、文化などについての痛快、軽妙、教養豊かなエッセイ。週刊文春に連載されたもの。50話ほどだが、互いに関連はない。よく調べよく考えて書かれていて、感心することしきり。 ・喧々囂々、侃々諤々はあっても喧々諤々はもともとなかった。 ・「君看よ双眼の色 語らざれば愁い無きに似たり」(ごらん、あの明るい眼の色を。当人がそうと語らなければとてもそんな悲しみを持った人に見えない)ー白隠の漢詩をめぐる話。芥川龍之介も愛唱した。 ・「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」理屈からいうと、国境は「くにざかい」と読むはずだが、作者自身はばくぜんと「こっきょう」としていたらしい。 ・手紙で女性に呼びかけるときは困るということ。それにしても結婚のまえは恋人を「文ちゃん」と甘やかに呼び掛けていた芥川龍之介は、結婚後は「お前」になって仕舞ったとは。 ・芭蕉のガールフレンドといっても、芭蕉より十ほど上で、いわゆるパトロン。その智月さんをめぐる話。 ・騎馬民族説の江上波夫にときどき昭和天皇から電話がかかってきて皇居に出かけて行ったとか。 ・「あぐらをかく・いびきをかく」の「かく」って?あらゆる「かく」を調べていくと①硬いもので手前に引っかく②露出する③組む・渡すの3つに分けられ、もともとは①から出ているのではないか。 ・旧暦では19年に7回閏月があり、何月が2回あるかは年によって違っており、個別にみていかないと月による季節感など分からないこと。 ・「恋すてふ」をこいすちょうと書くのは「こいすちょう流」といって無知の証明。それを岩波文庫がやっている。 ・乃木大将の殉死を聞いて新聞記者たちは「馬鹿な奴だ」と口々に言ったくせに、次の日の朝刊には「軍神」あらあら。 ・「十」の音読みは「ジフ」と「ジッ」で、「十本」はジッポンでジュッポンとは読まない。「九本」をキュッホンと読まないように。 まあ、これくらいにしておこう。きりがない。とにかくどれも面白い。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
一時期この人の本にハマって、手当たり次第読んだことがあります。 語源、言葉の使い方、中国や日本の古典、漢字の意味。 これらを実に愉快に偏屈に語ってくれるので、面白くってしょうがない。 元々は週刊文春に連載されていたものなのだけど、週刊誌を読んだ読者から質問や補足やお怒りのお手紙が届くと、単行本で「あとからひとこと」とその後の顛末も記されている。 紙の本なのに双方向という、なかなかにまれなスタイルの本なのです。 今回面白かったのは、「かく」という言葉についての考察。 あぐらをかく いびきをかく など、一体「かく」とはどういう意味なのか? 思いつく限りの「かく」を列挙します。 「かく」だけではなく、下に他の動詞がついて「かき…」の形で使われるもの(かき集める、など)、上に他の語がついて「…がく」(あがく、もがくなど)の形で現れるもの、「かき」「がき」の名詞形のものも並べます。 大事なのは漢字で考えないこと。 書くも掻くも描くも「かく」。 そうすると、大きく3つのグループに分けられる。 A.固いものの先で手前へひっかく B.外へ出る。露出する。(汗をかく、いびきをかく、恥をかく、欲をかくなど) C.組む。こちらからあちらへ渡す。(駕籠をかく、あぐらをかく、垣根など) このBやCも、もともとを辿るとAから派生しているようなのです。 で、「かく」からできた自動詞が「かける」(欠ける) おお!どんどん繋がっていく。 勉強が楽しいと思うのは、こういう時ですよね。 こんな楽しい話がたくさん。 映画から、古典文学から、辞書から、記憶から、いくらでも出てくる。 そういう大人になりたかったの。 そういう、金にならないようなこと、世の中の役に立たないようなことをボーっと考えているのが好きなの。 ああ、言葉が、文字が、文章が、とても好きだということに気がついてしまったよ。
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