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雑草にも名前がある 文春新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋/ |
発売年月日 | 2004/06/20 |
JAN | 9784166603855 |
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雑草にも名前がある
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雑草にも名前がある
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商品レビュー
4.2
5件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
雑草にも名前があることは子供の頃から知っていましたが、名前を覚えるのはなぜか、とても難しいです。草野双人「雑草にも名前がある」、2004.6発行。29の草についての紹介です。それぞれの蘊蓄に興味のある方はどうぞ!(アイウエオ順で)イシミカワ、イヌタデ、エノコログサ、オオイヌノフグリ、オオケタデ、オオバコ、オオマツヨイグサ、オドリコソウ、オミナエシ、カラスウリ、カラスノエンドウ、コオニタビラキ、スズメノカタビラ、セイタカアワダチソウ、セイヨウタンポポ、チカラシバ、ツユクサ、ドクダミ、ネジバナ、ハコベ、ハルジオン、ヒガンバナ、ヒメムカシヨモギ、ヒルガオ、ヘクソカズラ、ホウチャクソウ、ヤブガラシ、ヨウシュヤマゴボウ、レンゲソウ。
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先ずペンネームが草野双人とあるのに遊び心を感じた。雑草が好きな倉部きよたかさんと歴史がすきな清原工さんの合作だった。図鑑のように草花の構造を細かく説明されているのも悪くないが、本書のように植物から連想する歴史や出来事に発想をとばしてあるのは愉しく好みだ。微に入りすぎてついていけな...
先ずペンネームが草野双人とあるのに遊び心を感じた。雑草が好きな倉部きよたかさんと歴史がすきな清原工さんの合作だった。図鑑のように草花の構造を細かく説明されているのも悪くないが、本書のように植物から連想する歴史や出来事に発想をとばしてあるのは愉しく好みだ。微に入りすぎてついていけない章は斜め読みさせてもらいましたが・・・。 獄窓の一輪―エノコログサ 夢二の絵は売れなかった―オオマツヨイグサ 阿仏の執念―ヒガンバナ 『雑草』の人―ヘクソカズラ 真夏の夜の妖艶舞―カラスウリ 幻視の画家―オオイヌノフグリ 逃げ出した自由人―オオケタデ 維新の町は陽だまりの中―オドリコソウ 牛歩を貫いた歌人―オミナエシ 出稼ぎ西南戦争―ネジバナ〔ほか〕 中でも印象的だったのは牛歩を貫いた歌人―オミナエシの章だった。 読んでいてハンセン病歌人の明石海人さんの名前が目に留まった。彼の歌に魅了されたのは一昔前だろうか、ブログに書いた記憶がある。検索すると11年前の冬に”歌人「明石海人」を知る”で記録していた。→https://blog.goo.ne.jp/33bamboo/e/4fac161df633cee938def95e4acdb1b9#comment-list しかし、この章で取り上げてあるのは天才的な慟哭歌人といわれる海人ではなかった。”尺草”という名前に本書にぴったりな温厚、円満な人柄が伺われるが、やはり自然詩人と評されていた。尺草は海人と同時期に活躍した昭和時代前期の歌人で、尺草はハンセン病の発病を知り日本各地を旅して巡り熊本の療養所に入所し、そこで短歌と出会った。医師で結社「水甕(みずがめ)」の歌人であった内田守人(もりと)に指導をうけて、病の苦痛や運命への諦観を詠っている。 本書には、尺草が詠んだ「女郎花の花にふれゆく袖口の黄に染まりつつ山はしたしき」を取り上げてある。彼はエッセイで『私達は自然に無関心な時には、路傍に咲いた小草の花は何でもないと見過ごした。が、一度私と言ふものの孤独の姿にかえるとき、松の花粉の散る風情や、季節をたがえず道端に咲く小草の花が、私の最も良い友となってしまって、何だか静かな或るものを与えてくれるような気がする。私は今では自然から哲学でも授かっているような気持ちで、病的に尖っていく心をさけ、これらの自然に向かう事を許されている自分を感謝している』と書いている。とっても分かる。私も大病を経て自然に癒されてきた一人だから。 彼の人柄は温厚なだけでなく、負けん気な一面が隠されているような気がしてならないと本書には書かれていた。『啄木、樗牛、一葉などの天才は若くして大きな足跡を残している。天分に乏しい自分は鞭打って自ら一層学び、三十歳の一年をより美しく飾りたい』といい、34歳の生涯を閉じている。 尺草の最後の詠は「山茶花のひと本を庭に植えしより雨の音にも心和ぐ日あり」だった。まさに牛の歩みも千里からを示してもらった。
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勿論、雑草には名前があって、それぞれちゃんとそれなりのいわれがあって面白いのだ。カラス○○○とスズメ○○○の間にカスマ○○○があるが、カラスのカと、スズメのスと、間のマを合わせたもの。たくさんの雑草を取り上げて、その逞しい生態をつぶさに述べ、その雑草に相ふさわしい人、人々を取り上...
勿論、雑草には名前があって、それぞれちゃんとそれなりのいわれがあって面白いのだ。カラス○○○とスズメ○○○の間にカスマ○○○があるが、カラスのカと、スズメのスと、間のマを合わせたもの。たくさんの雑草を取り上げて、その逞しい生態をつぶさに述べ、その雑草に相ふさわしい人、人々を取り上げてその生き方を描く。例えば、エノコログサと死刑囚の歌人・島秋人、オオマツヨイグサは太宰治と竹下夢二、ヒガンバナは阿仏尼などなど。帰化人たちや移民者たちのような集団も取り上げている。面白い試みで、結構読みごたえがある。2人の作者の合作だが、二人ともなかなか癖のある人のようだ。
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