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図説 金融工学とリスクマネジメント 市場リスクを考える視点
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 金融財政事情研究会/きんざい |
発売年月日 | 2005/12/05 |
JAN | 9784322108309 |
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図説 金融工学とリスクマネジメント
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商品レビュー
4
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※このレビューにはネタバレを含みます
リスク。奥深い世界です。直訳すれば危険。単なる危ないこと?そんなことはありません。 リスクがないとリターンもない、などという表現も一般によく使われるようになってきました。リスクというのは、マイナス方向のベクトルだけではなく、マイナスにもプラスにもブレる『幅』に近い概念だということは理解されつつあると思います。 ただしやはり、金融業界で使うリスク管理とは非常に専門的な領域であると思います。私のような所謂私大文系型の方ですと、本書表紙にあるような数式を見るだけで軽い拒否反応を示してしまいます。 本書では、金融業界の専門的なリスクマネジメント、具体的に言えばマーケットリスク、クレジットリスク、さらに踏み込んでオペレーショナルリスクの計測方法について解説するものです。 ・・・ こう書いた時点で殆どの方には興味がなくなると思いますが、文系人間の私にはよく練られた本だと思いました。 そもそもリスクとは何かという点につき東日本大震災に言及しつつ導入を構成し、金融業界の所謂自己資本規制の歴史と経緯も説明し、そして市場リスクの考え方と計測について詳述しています。 最終的には、市場リスクや信用リスクの話は数式の世界に行き着くので、完全な理解はできませんでしたが大まかな概念については理解できたと思います。また理解を促すためのグラフや表・図が豊富であり、アカデミックな香りを残しつつも実務の具体性に富んだつくりになっていると思います。 更に出色であったのは、リスク管理から始まった論が、最終的に管理会計へ踏み込んでおり、収益見込までもを展望している点でしょうか。リスクとリターンが表裏一体の関係であれば、確かにリスク管理のパラメータを使って収益見込みやリターンの計測ができるはずです。 ただ、リスク管理の世界は非常に専門的ですし、リターン(収益)の部分までもをすべて見通せる人材の育成は難しいでしょうし、リスク管理部門と経営管理部門を跨ぐような人事や人材育成も難しそうで、日本のコンベンショナルな金融機関では実現しなさそうだと感じました。また経営者層もマーケット周り出身者は少ない(通常は営業部門の方が多いのでしょうか)ため、リスク管理に基づいた収益見込は直観的に理解しづらく受け入れられづらいだろう、と感じた次第です。 ・・・ 金融機関のマーケット部門やリスク管理部門で業務される方には(多少古いものの)参考になると思いました。
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