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象がおどるとき(上)
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象がおどるとき(上)

テス・ウリザホルス(著者), 小島希里(訳者)

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象がおどるとき(上)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 太田出版/
発売年月日 2005/12/14
JAN 9784872339154

象がおどるとき(上)

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2026/07/14

第二次世界大戦、日本占領末期のフィリピンを舞台にした小説。 「アジア版『百年の孤独』」という帯の惹句と、ポップな表紙イラストから、マジックリアリズムを軸にした少々幻想的な作品をイメージしながら手に取ったが、のっけからガッツリの戦争描写。悪逆な占領日本軍の苛烈で理不尽な支配に苦し...

第二次世界大戦、日本占領末期のフィリピンを舞台にした小説。 「アジア版『百年の孤独』」という帯の惹句と、ポップな表紙イラストから、マジックリアリズムを軸にした少々幻想的な作品をイメージしながら手に取ったが、のっけからガッツリの戦争描写。悪逆な占領日本軍の苛烈で理不尽な支配に苦しめられる登場人物たちの血と涙に暗澹たる気持ちにさせられた。苦笑 舞台はルソン島、首都マニラ近郊の農村。 一度は日本軍によって追いやられた旧支配国のアメリカ軍がマッカーサー元帥指揮のもとフィリピンに舞い戻り、追い詰められた日本軍の暴力性が頂点に達した頃のようだ。 立派な家は日本軍に接収され、そうでない家も、いつ戦闘に巻き込まれるか分からないため、主人公たちは地下室に数家族がまとまって避難して暮らしている。 水も食料も乏しく、毎日日本軍の監視にかからないよう慎重に行動しながら僅かに生きる糧を求めていく。 そんな過酷で残酷な現実の物語と、日本軍に仲間の誰かがひどい目に遭わされるたびに、地下室で語られる同居人の幻想的な(マジックリアリスティックな)昔話が交互に展開される。 地下室の住人は、ケチな人、臆病な人、明るい人、優しい人、年老いて病んだ人・・・色々いるが、その誰もがかつて経験した輝かしくもほろ苦い、どこか幻想的な昔話を語る。語り終えると、重苦しかった場の空気が何だか浄化されたようになり、またその語った人物に対してみる目も変わるようだ。それにより過酷な現実に打ちひしがれていた登場人物たちの心にもまた希望が宿り、生き延びるため、あるいは日本人に抗うためにまた次の一歩を踏み出していく事になる。 つらい現実に抗い生き抜くための"物語の力"。 それが本書の一つのテーマなのかもしれない。 本書の中で最もつらい現実に打倒されることになるゲリラのリーダー、ドミンゴ・マタパンもまた、この戦争をともに過ごしたゲリラの仲間たちとの日々を、"物語"として自分のなかに落とし込み、それを支えに前を向いて生きていく事になるのだろうか。 そしてフィリピンの未来もそうあってほしいと、本書を読み終える頃には心からそう思う程に、彼らと共にこの"物語"に没入した。 読みやすいし、なかなかの良書。

Posted by ブクログ

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