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幾度目かの最期 久坂葉子作品集 講談社文芸文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2005/12/10 |
JAN | 9784061984257 |
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幾度目かの最期
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幾度目かの最期
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表題作他「四年のあいだのこと」「落ちてゆく世界」「灰色の記憶」「女」「鋏と布と型」「南窗記」収録。名門の家に生まれたことの重圧、恋愛の破局、仕事の悩み……何が彼女を鉄道自殺へと駆り立てたのは定かではないが、作品から滲み出る悲痛な叫びが胸に突き刺さる。表題作である「幾度目かの最期」...
表題作他「四年のあいだのこと」「落ちてゆく世界」「灰色の記憶」「女」「鋏と布と型」「南窗記」収録。名門の家に生まれたことの重圧、恋愛の破局、仕事の悩み……何が彼女を鉄道自殺へと駆り立てたのは定かではないが、作品から滲み出る悲痛な叫びが胸に突き刺さる。表題作である「幾度目かの最期」は自殺直前に書かれた作品であり、殆ど遺書と言える内容だ。激しい感情の奔流、死へひた走る筆が圧巻であり、酷く悲しく苦しい。「鋏と布と型」はマネキンとデザイナーの戯曲で、作者は何も傷つかないマネキンに憧憬を持っていたのではないかとふと思ってしまった。
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昭和6年(1931年)生まれ本名川崎澄子、曾祖父が川崎造を始めとする川崎財閥の創設者、父親は川崎造船(現川崎重工業)専務、神戸新聞社長、母親は華族出身というセレブ一族だが、幼少の頃より乳母に育てられ両親の愛情は乏しく家柄故躾は大変厳しく育てられた。 父親の影響から8歳にして俳...
昭和6年(1931年)生まれ本名川崎澄子、曾祖父が川崎造を始めとする川崎財閥の創設者、父親は川崎造船(現川崎重工業)専務、神戸新聞社長、母親は華族出身というセレブ一族だが、幼少の頃より乳母に育てられ両親の愛情は乏しく家柄故躾は大変厳しく育てられた。 父親の影響から8歳にして俳句を詠み12歳頃より小説を読み出し15歳時には随筆集を纏める等天才少女の片鱗が伺える。 16歳で最初の自殺未遂、17歳時にも2回自殺未遂を起こし21歳の大晦日に3日間で書き上げた遺書的作品”幾度目かの再期”を脱稿し仲間と忘年会後に阪急六甲駅で電車に飛び込み自殺を図った。この小説は当時3人の男性との付き合いに悩み自分の両親に辟易しながらも演劇、音楽、執筆に日々忙殺されながら悶々とする彼女の心の告白である。 若く短い人生であったのに彼女の言葉は重く深く胸に突き刺さる。青白き大佐、鉄路のほとり、緑の島という男性3人の間で激しく揺れる動く異常なまでの彼女の感情と言動には正直反感を持つ部分も出てくるが鮮烈な彼女の人生に心打たれました。
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神戸生まれのこの作家は、本名を川崎澄子というそうです。 神戸の川崎製鉄(川崎市ではない)や川崎重工、川崎造船、川崎汽船などの、神戸川崎財閥創設者の直系、大変なお嬢様です。 19才の時に芥川賞候補となり、2年後の大晦日に、阪急六甲駅で鉄路に身を投げて自尽しました。1952(昭和7...
神戸生まれのこの作家は、本名を川崎澄子というそうです。 神戸の川崎製鉄(川崎市ではない)や川崎重工、川崎造船、川崎汽船などの、神戸川崎財閥創設者の直系、大変なお嬢様です。 19才の時に芥川賞候補となり、2年後の大晦日に、阪急六甲駅で鉄路に身を投げて自尽しました。1952(昭和7)年のことでした。 どんな作家だろうと興味を持ち、図書館で1冊かりて読んでみました。 まず注目は「幾度目かの最期」という遺作。 彼女は実生活で4度の自殺未遂をしているらしいが、 この作品はまさにそのあたりが書かれた遺書のような作品。 年末に自尽するまでの心の移り変わりが書かれていました。 3人の男性との関係。 揺れ動く自分、そして、結論。 自裁と表現したほうがいいかもしれい、彼女の死。 でも、作品自体は面白いとは思いませんでした。 最初にこれを読み、あとは本の頭から読んでいったのですが、 「落ちていく世界」という小説が大変おもしろい。 で、よくよく見ると、これはのちに編集者に手を入れられ、 「ドミノのお告げ」とタイトルを変えられて、 芥川賞候補になった作品らしい。 19才でこの文章が書けるとは・・・うーん、すごい才能。 そんな作品でした。 若くして花開いた女性の作家、しかも、早くに散ってしまった作家。 そういう作家たちは、とても難しい面があるのですが、これまでに会えなかった素晴らしい作品に出会えるチャンスあり。そんな期待を抱かせてくれます。
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