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車谷長吉句集
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車谷長吉句集

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車谷長吉句集

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 沖積舎/
発売年月日 2005/07/01
JAN 9784806016281

車谷長吉句集

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商品レビュー

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2021/04/14

イカを丸呑みしようとして、喉に詰まらせて死んだ人 それが車谷長吉である 生と死のギリギリの線を綱渡りするがごとき行為に ある種の美学を感じていたらしいことは いくつかの作品から読み取ることができるのだけど それにしてもイカとは 実存主義の実践者と簡単に言ってしまうのも気はすすま...

イカを丸呑みしようとして、喉に詰まらせて死んだ人 それが車谷長吉である 生と死のギリギリの線を綱渡りするがごとき行為に ある種の美学を感じていたらしいことは いくつかの作品から読み取ることができるのだけど それにしてもイカとは 実存主義の実践者と簡単に言ってしまうのも気はすすまないが 死に赴くナルシシズムと共にあらねば 何事もなし得ないタイプの臆病というのがあるのはわかる 要は不器用であり 加えて常に他者の否定的な視線を感じていたのだろう そのあたりは、「業柱抱き」収録のポエムに強く表れているが しかしこれが小説となると、また話は違ってくる 私小説作家を自任する車谷にとって 小説とは常に過ぎ去った時間を書くものだった つまり死んだ時間である 取り返しのつかない過去であり、悔やむだけ無駄な記憶でもある そこで書き手は ある意味では死者のふるまいを要求されるだろう あの時ああすればよかったとか 俺は悪くなかったとか そういう、たらればや言い訳のいっさい通用しない場所である 地獄の閻魔の前で、観念した人の境地である そこに立ってはじめて 過去の自分の愚かさを客観的に見ることもできるはずだ 実存主義的な行為を繰り返すなか なんらかのきっかけにおいて、車谷長吉は 自分が死んだ人間だと仮定する視点を得たのではなかろうか しかし、そんな彼が俳句をやると また話は違ってくるわけだ 死んだつもりで小説を書いているとしても 当然それは、飯を食って生き延びるための行為にほかならない おそらく、そういう「今ここ」のお楽しみとして 車谷は俳句を詠んでいる 全体に、見たまんま詠んだ句や 露悪表現、またどこか芝居がかった言い回しが多く はっきり言って凡庸な印象も受ける だがときおり 生活に閉じ込められた死のイメージが鮮烈な光を放つのだ

Posted by ブクログ

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