![グールド魚類画帖 十二の魚をめぐる小説](https://content.bookoff.co.jp/goodsimages/LL/001275/0012759429LL.jpg)
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グールド魚類画帖 十二の魚をめぐる小説
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 白水社/ |
発売年月日 | 2005/07/01 |
JAN | 9784560027233 |
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グールド魚類画帖
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商品レビュー
4.2
16件のお客様レビュー
悪魔的な装飾をこれでもかと施した物語の、果ての見えない連なりに延々といたぶられる、Mな悦びに目覚めた読書体験でした。
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傑作の名が高い名著。ということで、ずーーーーーーーと読みたいリストにあって、手にした。至福わ味わった、という人の話はウソではなかった。幻想と現実が入り混じり物語の海に身をまかせ快感としかいいようのない読書になった。この本を読める人はきっと幸せだと思う。
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「人は、人間であることの不思議さを受け入れるよりも、魚としての生を生きるほうが楽だろうか?」 すんごい本と出会ってしまいました。 記憶と現実が、過去と未来が、そして本の読み手と書き手が、とにかく全てがごちゃごちゃに絡まりあったタスマニア島の囚人世界が舞台となるこの本。最後には...
「人は、人間であることの不思議さを受け入れるよりも、魚としての生を生きるほうが楽だろうか?」 すんごい本と出会ってしまいました。 記憶と現実が、過去と未来が、そして本の読み手と書き手が、とにかく全てがごちゃごちゃに絡まりあったタスマニア島の囚人世界が舞台となるこの本。最後には、果たしてこの本は本当に本なのかとさえ疑ってしまう、不思議で難解で常軌を逸した本でした。 この本の中には、十二の魚類の絵が描かれています。グールド・ウィリアム・ピューロウという十八世紀に英国に生まれやがて軽犯罪でタスマニアに島流しにあった、実在する囚人が描いたとされるものです。そしてこの本は、タスマニア出身(いまも在住)の筆者が、その十二の魚の絵それぞれに物語を付していく形の小説です。グールドという囚人であり画家は実在し、十二の絵も実在するものですが、著者によって付された物語はフィクションという事になっています。ただ、フィクションとは言っても、タスマニアに産まれ育ち、タスマニアの歴史学を専攻した筆者(ちなみに筆者自身の先祖も軽犯罪による囚人でタスマニアに島流しにあったというのがルーツの筆者)が魚の絵に付すその物語や登場人物は、現実に起きた歴史と近いものであるとする見方があるそうです。物語には、島の全周がたった1.5kmしかない孤島に蒸気機関車のレールを作って走らせるよう囚人に命じたあげく完成式典では蒸気機関車の先頭に囚人を磔(はりつけ)て夜通しぐるぐる走らせるといった奇行をタスマニアの繁栄の為だといって平然とやらかすイカれた司令官が居たり、科学者としての殿堂入りを果たすべく研究用として黒人の頭蓋骨を収集するために生きた黒人の囚人の首を9体分切って樽に保存して腐らないように薬液を足してかき混ぜ続ける医師が居たりして、どうか完全なフィクションであってほしいと読者が願わずにはいられないグロテスクなシーンが随所にあります。 グールドは、ある事がきっかけで、この囚人島で起きていることを本国である英国に報告する書類にこれらの奇行が一切記載されていないばかりか、統制され組織化されたタスマニア島の輝きを主張するでっち上げの文章ばかりが並ぶ報告書類の束を目にし、「本物の歴史を元に文章が作られるのではない、偽りの文章から歴史が作られるのだ」と気づきます。囚人であり何の力もなく何もできないながらもそのでっち上げの事実を暴露しようと脱獄を企て、しかし最後にグールドは魚になって、言葉を持たない魚となったグールドが水槽の中から最後に見たものとは一体。 「魚が一匹死ぬたびに、世界からはその生き物の分の愛の量が減るんだろうか?魚が一匹網にかかって引き上げられるたび、その分の脅威と美が減った状態で世界は続いていくんだろうか?そして、もしおれたちが、取り上げ、略奪し、殺し続けるなら、その結果、世界から愛と驚嘆と美がどんどん奪われ続けるなら、最期には、何が残るんだろうか?」 とにかく長編で難解で、最後まで読んでそのまままた一ページから読み直さないと内容の理解が追い付かない(だけど一方でそんな気力も残っていないほどに難解な)、本当にとてつもない本です。一冊四千円もするので読書を始めたばかりの方にはお薦めしませんが、こんな物語が世の中に存在するんだなと感動した本であったことも事実です。
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